「ガラスの天井」を破るのはあなた~自分らしいキャリアを築く~
日本は女性活躍後進国
男女平等の度合いを示す世界経済フォーラムの2022年のジェンダー・ギャップ指数の日本の総合順位は146カ国中の116位といまだ低位にとどまっており、日本は「女性活躍後進国」と目されています。2020年までに指導的地位に就く女性比率30%を目指すとしていた政府の目標も未達成で、先送りの計画に書き換えられているのが現状です。女性がキャリア・アップを目指す際に立ちはだかる目に見えない障壁を「ガラスの天井」と言います。
若者は早く成長したい
独立行政法人国立女性教育会館の「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査研究」では2015~20年にかけて、新入社員を5年間追跡する調査を実施しました。その結果、入社時から一貫して、女性の管理職志向は男性よりも顕著に低く、かつ下がり続けることが確認されました。入社直後に踏ん張ることができない状況は言わば「ガラスの床」です。若者は早く成長したいのに対し、企業はじっくりと育てたいと考え、成長スピードに対する意識の差があることが背景にあります。その間に若者はやる気を失い、女性の場合は結婚や出産といったタイミングも重なります。入社5年間の「ガラスの床」を突破できなければガラスの天井どころではありません。
自分らしいキャリアを
昨今、テレワークも定着し、専門性を生かしたジョブ型雇用や副業を認める企業も増えるなど、働くことを取り巻く環境は劇的に変化しています。「ワーク・ライフ・バランス」も重視され、個人の生き方も尊重されるようになりました。また多様な文化や価値観の存在を前提にしたグローバル化の進展により、求められるリーダー像も「カリスマ型」から「協調型」に変容しています。こうして、1人ひとりが自分らしいキャリアやリーダー像を追い求める時代が到来しています。閉塞感漂う社会や企業を変革していくには、今の若者たちが学生のうちに、リーダーシップ、コミュニケーション、クリエイティビティのスキルを伸ばしていく必要があるのです。
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先生情報 / 大学情報
清泉女子大学 地球市民学部 ※2025年4月開設 地球市民学科(ソーシャルデザイン領域) 教授 安斎 徹 先生
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