講義No.12657 社会学

「ガラスの天井」を破るのはあなた~自分らしいキャリアを築く~

「ガラスの天井」を破るのはあなた~自分らしいキャリアを築く~

日本は女性活躍後進国

男女平等の度合いを示す世界経済フォーラムの2022年のジェンダー・ギャップ指数の日本の総合順位は146カ国中の116位といまだ低位にとどまっており、日本は「女性活躍後進国」と目されています。2020年までに指導的地位に就く女性比率30%を目指すとしていた政府の目標も未達成で、先送りの計画に書き換えられているのが現状です。女性がキャリア・アップを目指す際に立ちはだかる目に見えない障壁を「ガラスの天井」と言います。

若者は早く成長したい

独立行政法人国立女性教育会館の「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査研究」では2015~20年にかけて、新入社員を5年間追跡する調査を実施しました。その結果、入社時から一貫して、女性の管理職志向は男性よりも顕著に低く、かつ下がり続けることが確認されました。入社直後に踏ん張ることができない状況は言わば「ガラスの床」です。若者は早く成長したいのに対し、企業はじっくりと育てたいと考え、成長スピードに対する意識の差があることが背景にあります。その間に若者はやる気を失い、女性の場合は結婚や出産といったタイミングも重なります。入社5年間の「ガラスの床」を突破できなければガラスの天井どころではありません。

自分らしいキャリアを

昨今、テレワークも定着し、専門性を生かしたジョブ型雇用や副業を認める企業も増えるなど、働くことを取り巻く環境は劇的に変化しています。「ワーク・ライフ・バランス」も重視され、個人の生き方も尊重されるようになりました。また多様な文化や価値観の存在を前提にしたグローバル化の進展により、求められるリーダー像も「カリスマ型」から「協調型」に変容しています。こうして、1人ひとりが自分らしいキャリアやリーダー像を追い求める時代が到来しています。閉塞感漂う社会や企業を変革していくには、今の若者たちが学生のうちに、リーダーシップ、コミュニケーション、クリエイティビティのスキルを伸ばしていく必要があるのです。

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先生情報 / 大学情報

清泉女子大学 地球市民学部 ※2025年4月開設 地球市民学科(ソーシャルデザイン領域) 教授 安斎 徹 先生

清泉女子大学 地球市民学部 ※2025年4月開設 地球市民学科(ソーシャルデザイン領域) 教授 安斎 徹 先生

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先生が目指すSDGs

メッセージ

人、旅、本。この3つが自分を変えてくれます。多くの人と出会って、とことん語り合ってください。世界や日本の各地を旅して未知との遭遇を思い切り楽しんでください。何となくタイトルが気になった、誰かが紹介してくれたなどきっかけは何でもいいので、色々な本を読んでください。大学の4年間は「人生の夏休み」です。入学後は様々なことに挑戦してみましょう。時にはうまくいかず悲嘆の涙を流すこともあるかもしれません。しかし、居心地の良い場所(Comfort Zone)から一歩踏み出すことで見える景色が変わってきます!

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

清泉女子大学に関心を持ったあなたは

清泉女子大学は、日本語日本文学科、英語英文学科、スペイン語スペイン文学科、文化史学科、地球市民学科の5学科で構成された文学部と、大学院人文科学研究科からなるキリスト教ヒューマニズムに基づく女子大学です。キャンパスは東京都品川区の島津山と呼ばれる閑静な住宅街にあり、すべての学生が4年間の大学生活をこの緑豊かな恵まれた環境の中で過ごすことができます。「まことの知・まことの愛」という教育理念のもと、少人数教育による人格的触れ合いを通して、自分で考え、決断することのできる女性を育成します。