社会で自分を守るために不可欠な法知識とリーガルマインド
リスクをキャッチできる法の知識
法学は、社会人として生きていくための力を与えてくれる学問です。例えば、就職して上司の指示で仕事をしただけなのに、知らないうちにコンプライアンス違反を犯していた……といったケースもありえます。そんなときに、会社があなたを守ってくれるとは限りません。むしろ、切り捨てられたり、責任追及されたりすることもありえます。法学の力は、そんなリスクからあなたたちを守ってくれることでしょう。
法律の知識を身につけておくと、「あれ、これは大丈夫か?」と事前に危険を察知でき、人生のリスクマネジメントができるようになります。
いかに実際に解決できるか
法律を学ぶと、裁判というプロセスを経てどんな判決が出されるか、といった点に関心が集中しがちです。しかし、現実の紛争にあっては、判決はゴールではなく、出された判決がどのように執行されるかがより大事なのです。どんなに有利な判決をもらえたとしても、実際に執行できなければ判決は「絵に描いた餅」にすぎません。法律を学ぶことは、実際の手続がどのように遂行され、権利がどのように実現されるのか(あるいはされずに終わるのか)といったことまでを知って、はじめて完結するものです。
古代からある社会に不可欠なルール
法律の基本は憲法と民法です。前者は公的な領域の、後者は私的な領域のそれぞれ最も基本的な法律です。
民法には「物権」と「債権」という2つの枠組みがあります。「物権」は、所有権など人が物を支配する権利、これに対して「債権」は契約(合意)といった、人と人との関係に関わる権利です。そうして、民法の基本的な構造は、古代ローマの市民法から紀元6世紀のローマ法大全に至るまで、長い時間をかけて、ゆっくりと醸成されてきました。共同体の中で人々が調和的に生きるための前提-それが民法です。民法を学び、その学びを通して論理的思考力や柔軟な問題解決能力を身につけることは、これからの社会を生き抜く力となるはずです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
亜細亜大学 法学部 法律学科 教授 鹿島 秀樹 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
法律学、民法学先生への質問
- なぜ民法を学ぶのか