講義No.12689 法学

社会で自分を守るために不可欠な法知識とリーガルマインド

社会で自分を守るために不可欠な法知識とリーガルマインド

リスクをキャッチできる法の知識

法学は、社会人として生きていくための力を与えてくれる学問です。例えば、就職して上司の指示で仕事をしただけなのに、知らないうちにコンプライアンス違反を犯していた……といったケースもありえます。そんなときに、会社があなたを守ってくれるとは限りません。むしろ、切り捨てられたり、責任追及されたりすることもありえます。法学の力は、そんなリスクからあなたたちを守ってくれることでしょう。
法律の知識を身につけておくと、「あれ、これは大丈夫か?」と事前に危険を察知でき、人生のリスクマネジメントができるようになります。

いかに実際に解決できるか

法律を学ぶと、裁判というプロセスを経てどんな判決が出されるか、といった点に関心が集中しがちです。しかし、現実の紛争にあっては、判決はゴールではなく、出された判決がどのように執行されるかがより大事なのです。どんなに有利な判決をもらえたとしても、実際に執行できなければ判決は「絵に描いた餅」にすぎません。法律を学ぶことは、実際の手続がどのように遂行され、権利がどのように実現されるのか(あるいはされずに終わるのか)といったことまでを知って、はじめて完結するものです。

古代からある社会に不可欠なルール

法律の基本は憲法と民法です。前者は公的な領域の、後者は私的な領域のそれぞれ最も基本的な法律です。
民法には「物権」と「債権」という2つの枠組みがあります。「物権」は、所有権など人が物を支配する権利、これに対して「債権」は契約(合意)といった、人と人との関係に関わる権利です。そうして、民法の基本的な構造は、古代ローマの市民法から紀元6世紀のローマ法大全に至るまで、長い時間をかけて、ゆっくりと醸成されてきました。共同体の中で人々が調和的に生きるための前提-それが民法です。民法を学び、その学びを通して論理的思考力や柔軟な問題解決能力を身につけることは、これからの社会を生き抜く力となるはずです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

亜細亜大学 法学部 法律学科 教授 鹿島 秀樹 先生

亜細亜大学 法学部 法律学科 教授 鹿島 秀樹 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

法律学、民法学

メッセージ

法律に関心があるなら、高校で世界史(西洋史)をしっかり学んでほしいです。特に大事なのは、➀ギリシャ、ローマの歴史➁市民革命、そして市民社会における「人間像」③20世紀的大衆社会の誕生です。
憲法であれ、民法であれ、この3つのポイントを理解した上で学び始めると、学習が円滑に進みます。逆に、こうした知識を全く欠いた状態で法律の勉強を始めても、本当の意味で理解することはできないでしょう。

先生への質問

  • なぜ民法を学ぶのか

亜細亜大学に関心を持ったあなたは

亜細亜大学では「多様な夢に挑み、アジアの未来に飛躍する創造的人材」の育成をめざし、5学部8学科の学士課程教育、国際教育、キャリア教育と軸とした教育体制を整えています。
さらに2023年4月にデータサイエンスと経営学をつなぐ画期的な学びを提供する「経営学部データサイエンス学科」を開設。初年次教育やゼミナールの必修化、留学制度、副専攻制度など、学生一人ひとりの興味・関心に合わせて、柔軟で広い視野を獲得するための多彩な学びを実現するカリキュラムを構成しています。