「ヤフー」の語源は有名な文学? 意外と身近なアイルランド
「ヤフー」の語源は?
アイルランドと聞くと「日本とはまったく違う遠い国」だと思うかもしれません。しかし日本で暮らしていても、日常のいたるところにアイルランド文学の影響を発見できます。例えばインターネットの検索エンジンなどで有名な「ヤフー」です。この名前は、アイルランドの作家であるジョナサン・スウィフトが書いた『ガリヴァー旅行記』に登場する動物に由来しています。また、日本の怪談話で有名な『耳なし芳一』の作者、小泉八雲は本名をラフカディオ・ハーンといい、アイルランドで育ちました。日本で暮らす人々の多くは、無意識のうちにアイルランドと接点を持っていたといえます。
アイルランドと日本との違い
アイルランドの文学や文化などをさらに一歩踏み込んで味わうためには、日本との違いを知ることも大切です。例えば、日本では信頼している人との会話ほど、省略する部分が多くなったり口数が少なくなったりします。しかしアイルランドでは、口数が少ないことは相手を信用していない証拠です。こうした習慣の違いを知っていると、文学を読んだときに会話の場面から受ける印象が大きく変わるでしょう。さらに作品が書かれた時代の社会情勢などを知っておくと、作家の意図や、作品が出版された当時に読者が受けた印象を理解しやすくなります。
外国を知り、日本を知る
異文化を知ることで、自分が生まれ育った国について改めて考えた作家たちもいました。上田敏や大江健三郎をはじめとする19世紀以降の日本人作家は、アイルランドについてさまざまな作品を書き残しています。その中には、アイルランドと日本を比較して考察するような内容が多く見られました。例えば1960年代からアイルランドにおける女性の地位が向上したことを例に、男性優位な日本で女性が力を持つための方法を考えた女性作家もいます。こうした作家たちが残した作品を集め、日本とアイルランドの歴史的なつながりや2国間の関係などを探ろうと研究が始まっています。
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