人生の最期はどうしたい? 「人生会議」でポジティブに語ろう!
若く元気なうちから最期の医療・ケアを考える
人生の最終段階の医療やケアについて、前もって考えるプロセスのことをACP(Advance Care Planning)といいます。患者本人の意思を尊重した医療・ケアが最期まで行われることを目的としており、長い人生のなかで、変化する気持ちや考え方に配慮しながら家族やかかりつけ医と時間をかけて話し合っていく必要があることから「人生会議」とも呼ばれています。
ただ、健康な人が「最期のとき」について考える機会は少なく、その理由として「きっかけがない」「何について話し合ったらいいかわからない」ということが挙げられます。そこで、一般市民に向けたACPの普及活動が行われています。
「死」を考えることで「生」も見えてくる
「人生最期の医療」というと延命治療をイメージするかもしれませんが、ACPで話し合うことは延命治療の有無だけではありません。例えば、死が近づいたときに「優先したいことはなにか」「過ごしたい場所はどこか」や「自分にとって何が大事なのか」など、自分の人生観や価値観を振り返り、「どう生きるか」を考えることがよりよい最期につながるのです。
日本人は死をタブー視しがちですが、若い世代を中心に、死について気軽に語り合う「デスカフェ(death cafe)」も各地で広まっています。
医療現場で必要となる倫理的判断力
医療現場で、倫理的に考える能力をもち、倫理的行動をとれることは重要です。
看護倫理学は、患者にとって何がベストかを考えるときに、それを見極めるためのヒントをくれます。「医師の説明は理解できたか?」「患者の本心は?」「家族と意見がすれ違うときは?」など、さまざまな倫理的課題をひもとき、対応する力を養うのが看護倫理の学びです。
臨床の現場において「死」は重要なテーマです。看護師はターミナルケアの知識や技術を学ぶとともに、自分なりの死生観を育てることが、死を迎える患者やその家族へのよりよいケアにつながるのです。
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