売り手市場でも起きるリアリティショック 就活に必要なこととは?
「リアリティショック」を軽減するために
大卒入社後3年以内の離職率は3割以上になっています。多くの人が入社前のイメージと入社後の現実の違い(リアリティショック)に悩んでいます。これを軽減するために、採用前にインターンシップや社員との交流を導入する企業が増えています。2025年卒の採用から、インターンシップに参加した学生情報を選考に利用することが認められました。企業側が学生を見定めるヒントになるとともに、学生側も企業の実態を知る良いチャンスになります。
変わりゆく就活環境
近年は「売り手市場」といわれ、就職を希望する学生よりも企業の採用枠の方が多い状況が続いています。就活スタイルも学生がアプローチする「エントリー型」、企業からアプローチする「オファー型」、人材会社がサポートする「エージェント型」など多様化しています。環境は良くなっているはずなのに、依然として就職活動に向き合うことにネガティブな学生が多くいます。今までのキャリア教育で「やりたいこと」にフォーカスがあてられすぎて、それがなかなか見つからないと苦しむ学生が多いからです。現代は働き方も幅広く、選択肢がますます多くなっています。同じ職業でも仕事内容が大きく変わったり、職業自体がなくなってしまうこともあります。「10年働いてようやくやりたいことが見つかった」「学生の頃に思っていたやりたいことと今の方向性が変わってきた」という人も多くいます。やりたいことを見つけることは実は簡単ではないのです。
自分の「価値観」を知ること
やりたいことがもし見つからなくても、思い悩むことはありません。重要なのは「どうありたいのか」です。自分が生きていく上で譲れないポイントは何なのか、自身の大事にしたい軸を知ることが大切です。就職活動や進路選択の中でその軸と擦り合わせていくことが必要なのです。早期離職は企業にとっても大きな損失です。ネガティブな早期離職を減らすためには何が必要なのか、効果的な就職活動や情報収集についての研究が進んでいます。
参考資料
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先生情報 / 大学情報
和歌山大学 経済学部 経済学科 准教授 本庄 麻美子 先生
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