悩み方にはコツがある? -ゆううつな時の対処法-

人々の心の健康を守る学問
臨床心理学とは、心の問題に向き合い、支えるための科学的な学問です。さまざまな心理的困難に対して、心理学の知識やスキルをもとに支援を行います。カウンセリングや心理療法、心理アセスメント、研究を通して、人々の心の健康を守り、社会全体のメンタルヘルスの向上を目指します。臨床心理学は、生活のこと、人間関係、仕事など、生活のさまざまな場面で生じる問題を研究対象にできる間口の広い学問です。
どうやって悩みと向き合うとよいか
高校生や大学生になると、自分の内面を見つめる機会が増えていきます。青年期はアイデンティティを確立する時期で、自分はどういう人間なのか、就職を控えてどういう仕事が向いているのかなど、自分自身について考えることが重要な課題です。しかし、悩み方を間違えてしまうと、ゆううつな気分を悪化させてしまうことがあります。パフォーマンスが落ち、生活に悪い影響を与えてしまうこともあるでしょう。ストレスや悩みごととどのように向き合えば、より適応的な悩み方ができるようになるのかについて、研究が進められています。
メンタルが悪化しない人の考え方や行動とは?
ネガティブな出来事に遭遇した時に、ショックを受けたり落ち込んだりするのは自然な反応です。そこから回復する人と、落ち込んだままメンタルが悪化してしまう人の違いはどこにあるのでしょうか。研究の結果、ゆううつな気分が生じた時の考え方や行動によって、その後の抑うつ状態が変わることがわかりました。つらい気持ちに巻き込まれないように、気晴らしをするなどして一度距離を置くと、状況を俯瞰(ふかん)して客観的に分析し、問題を解決できる可能性があります。反対に、感情に巻き込まれてしまい、くよくよ考えて自分を責め続けてしまうのは、自分自身との向き合い方としては適切ではありません。自分の考え方の癖を理解することで、落ち込みすぎず建設的な悩み方ができるようになります。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
