データサイエンスで潜在行動を可視化する

データサイエンスで潜在行動を可視化する

データサイエンスって、なに?

データサイエンスは、2010年前後から急速に開発が進みました。この時期、世の中にはスマートフォンが普及し、インスタグラム、Facebook、X(旧Twitter)やLINEなどのSNSが多くの人々に利用され始め、さらにAmazonやAppleがさまざまなコンテンツや商品をオンラインで提供し始めることで、消費者の購買履歴データやIoTと呼ばれるセンサーデータなどの大規模データが注目を集めました。そして、これらビッグデータを分析することで、人々や社会について多くのことが解明され、その中核となるデータサイエンスがビジネス課題や社会問題を解決するためのプロセスとして大きな期待が寄せられています。

マーケティングサイエンスの研究事例

マーケティング領域におけるデータサイエンスは、消費者購買履歴データなどを活用して、消費者の潜在意識を明らかにし、効率的なマーケティング戦略立案のための意思決定に有益な知見を創出します。表層的な探索的データマイニングでは分からなかった消費者潜在行動は、「心理会計」や「ダイナミックプライシング」などの行動経済学やマーケティングの理論を援用しながら解き明かされています。「心理会計」とは、同じ商品やサービスでも、消費者の購買時の心的状況によって異なる購買行動を示す概念で、「ダイナミックプライシング」は商品やサービスを市場や消費者の状況によって価格を動的に変動させる仕組みのことです。

データサイエンスと私たちの関係

現代社会には、さまざまなデータで溢れたビッグデータの時代であり、データサイエンスの手法を駆使しながら、データの裏側に潜む新たな知見を発見し、多様な分野に適用することで、低迷している日本経済を活性化するポテンシャルを有しています。具体的には、既存産業に応用することで労働効率性を高め、新しい情報産業を創造するために、データサイエンスに大きな期待がもたれています。これからの日本を救うデータサイエンスは、世の中の基軸となっていくでしょう。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

専修大学 ネットワーク情報学部 ネットワーク情報学科 教授 宮津 和弘 先生

専修大学 ネットワーク情報学部 ネットワーク情報学科 教授 宮津 和弘 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

統計学、情報学、マーケティング

先生が目指すSDGs

メッセージ

日本は、2023年の世界GDPランキングで3位から4位に後退しました。また、他先進国と比べて情報通信分野で出遅れているのが現状です。人口は減少に転じており、国内市場は縮小していくことは避けられません。日本を再生するためには、既存産業の効率化、または新規産業の創出しかありません。これまでの勘と経験に頼らずに、誰でもが過去のデータから学習し、効率よく仕事をこなしていくためには、AIとデータサイエンスが不可欠です。私たちの世の中で、AIとデータサイエンスがどのように活用されるべきか考えてみましょう。

先生への質問

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専修大学は、1880年(明治13年)に経済科と法律科からなる専修学校として創立されました。「経済科」は日本初の、また「法律科」は私学で初の高等教育機関でした。2024年に創立145年を迎える、日本でも屈指の伝統を持つ大学です。社会科学、人文科学、総合科学、の3系統、8学部20学科からなる社会人文系総合大学として、「自ら問題を見つけ主体的に解決する知力」と「人間力」、「倫理観」を持った人材を育成しています。まずはオープンキャンパスの大学紹介や模擬授業に参加して、大学の雰囲気を体感してみてください。