大人が学ぶ時間を増やすと、社会は変わる
大人も学び直す時代に
日本では社会に出て働き始めると、学習機会が減ってしまいます。何をどう学べば良いかわからないという声も聞かれます。キャリアデザインの第一歩は、「自分を知ること」です。何が好きか、得意かを自分と向き合って理解し、そのうえで働く環境が変わっても対応していけるような柔軟さを持つ必要があります。これまで世界の国々と比較した日本の社会人の学習時間はかなり短い状態でしたが、「リスキリング」など個人の学び直しが重視される中、今後は学習機会の増加が見込まれます。
キャリアをつくるのは働く人だけではない
これからのキャリア形成には、働く人自身の主体的な関わりが大事です。こうした態度や考え方は「自律的キャリア」と呼ばれ、日本では2000年頃から言われるようになりました。デジタル化が進み、人材が不足する社会状況のもと、社員にスキルを高めてもらいたいという会社のニーズも高まっています。働く人が自分自身を生かせ、仕事にもつながるキャリアは、どのようにつくれば良いのでしょうか。そこで前提となるのは、キャリアは働く人自身だけでなく、会社や働く環境があって初めてつくられるということです。キャリア形成には個人と雇用側の双方から取り組む必要があります。
成長できる会社が選ばれる
研究でよく使われるのが、従業員アンケートです。最近はインターネットリサーチ会社に依頼して実施することも多くあります。リモートワークについて行った調査では、会社が幅広い能力開発を支援してくれていると感じている社員ほど、学習しているという結果が得られました。会社が社員の能力開発を支援することが、社員の自律的な学習を促すと言えそうです。自律的な社員はすぐに会社を辞めるのではないか、という懸念も聞かれますが、上手くマネジメントすれば、自律的な社員の会社への愛着は高まる可能性もあります。終身雇用制度は崩れつつありますが、働き手不足や高齢化が進む中、リスキリングによって社員がやりがいを感じられる会社への社会的評価は高まるでしょう。
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