「萌えキャラ」が地方を救う!?
萌えキャラと浮世絵には共通点がある?
マンガ・アニメ・ゲームなどに登場する「萌えキャラ」は、大きな瞳、大きな胸の成熟したボディ、ツインテールに代表されるヘアスタイルなどが特徴的です。これはどの萌えキャラにも共通する「様式」と言えます。こうした様式は、江戸時代に流行した浮世絵の美人画にも見られます。浮世絵に描かれた美人は、共通して細長い顔、小さなつり目、色白、細い腰などに描かれています。萌えキャラは、現代の美人画とも言えるのです。
各地を元気にする「ご当地萌えキャラ」
萌えキャラという言葉が広まりだしたのは1990年頃で、萌えキャラを推す人たちは男女の区別なく存在します。でも、キャラクターをデザインしているのは女性が多く、それは萌えキャラのグラフィックの源流が少女漫画にあるからではないかと考えられます。そして近年、この萌えキャラを使って、地域活性化を狙う地域が出てきました。それが「ご当地萌えキャラ」です。例を挙げると、東日本大震災の復興を願って、東北6県で始まった「東北ずん子」のプロジェクトです。キャラクターを使った広報活動、グッズの販売、スタンプラリーなどイベントの開催で、東北を元気にする役目を果たしました。
細く、長く続けられる地域活性の救世主
地域活性の町おこしプロジェクトには、「ゆるキャラ」マスコットの活用や、映画やドラマなどの舞台を観光する「聖地巡礼」(コンテンツ・ツーリズム)などがあります。しかし、「ゆるキャラ」は増えすぎてアピールしなくなり、聖地巡礼も一過性で終わってしまう可能性があります。その点、ご当地萌えキャラの数はまだ少なく、地域さえその気になれば、細く、長く、活動を続けることができます。萌えキャラに引かれて、当地を何回も訪れるうちに、地元の人と仲良くなり、移住するケースも出てきています。ご当地萌えキャラは、過疎化に悩む地域にとって、若い世代に訪れてもらうための大切なアイコンとなり得るのです。
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