秘密兵器「萌えキャラ」も活躍中~芸術を使って集客する~
拡大し続ける芸術の世界
芸術という言葉を聞くと、ピカソやゴッホなど、偉大な画家を思い浮かべる人も多いでしょう。もちろん、それは間違いではありません。しかし、芸術とは非常に幅広く、また自由なものでもあります。音楽に合わせた映像演出、アートとテクノロジーの融合、そして世界から「クールジャパン」と称賛される日本の漫画やアニメ、ゲームなども芸術のひとつと言えます。
萌えキャラで注目度アップ
最近では宣伝の起爆剤として、2次元美少女キャラクター、いわゆる「萌えキャラ」を起用するケースも増加傾向にあります。実際に、ある道の駅とコラボレーションした「萌えキャラプロジェクト」を例に挙げましょう。今年で3年目になるこのプロジェクトは、道の駅の集客アップのために立ち上げられました。4人のキャラクターが新たに登場し、それぞれに地名や名勝にちなんだその町らしさあふれる名がつけられ、カレンダーやバッジといったグッズの展開、パネル展の実施などさまざまな露出の仕方で話題を呼んでいます。立て看板と記念撮影ができるコーナーも設置され、SNSなどで記念写真を公開する人も増加し、デザイン性とオリジナリティを兼備した萌えキャラたちの地域貢献は現在も続いています。
企画・提案型の芸術が求められる時代へ
流行や技術の変化によって、その時代の芸術は形を変えていきます。そしてこれからの時代は、さまざまな目的に対してのソリューションの手段となる機会が増えることも推測されます。いまや芸術は自己表現のツールであると同時に、商業的効果や地域貢献などの目的達成のための一面も持ち合わせています。技術の向上や手法の工夫によって、芸術の世界を目にする機会は増えています。芸術をひとつの媒体として、誰もが自ら企画し提案することが容易になってきているのです。芸術の可能性や役割が広がる中、改めて芸術の在り方が見つめ直されています。
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先生情報 / 大学情報
岩手大学 人文社会科学部 人間文化課程 芸術文化専修プログラム 教授 本村 健太 先生
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