講義No.12987 教育

小学校の進学時に生まれるギャップ 解決のカギは大人たち

小学校の進学時に生まれるギャップ 解決のカギは大人たち

小学校に進学する際に大事な「幼小接続」

教育現場では、子どもが幼稚園・保育園などから小学校に進学する際、スムーズに過ごすための「幼小接続」という言葉があります。幼稚園・保育園などから小学校に進学する際、がらりと環境が変わるため、多くの子どもが勉強や人間関係などにギャップを感じています。その結果、「登校渋り」という学校に通えない子どもたちや、「小1プロブレム」という、授業中に歩き回ったり、座席に座っていられなくなったりする子どもが生まれます。これまでは「不適応行動」として一括りにされていましたが、最近そういった子どもたちが増加していることで、幼小接続がより注目されるようになりました。

子どもたちが小学校に期待すること

小学校の進学を控えた園児に、小学校で楽しみにしていることや不安に感じていることを調査した結果があります。ポジティブな意見では「国語や理科が楽しそう」や「身体を使った活動や遊びを小学校でも楽しみたい」というもの、ネガティブな意見では「勉強についていけるか不安」「友達ができるか心配」というものが主でした。さらに、その小学校に入学してから同じ子どもたちに話を聞くと、勉強面を期待していた子は小学校に上がってもスムーズに適応でき、逆に運動や遊びを期待していた子は、小学校であまり遊ぶ時間がないことにギャップを感じ、不満を抱くという傾向がありました。

ギャップはなぜ生まれる?

子どもたちが小学校にギャップを覚える原因としては、小学校に関する知識の不足が挙げられます。子どもの中には、普段小学校のグラウンドしか目にしていないため「小学校=遊ぶ場所」ととらえている子もいました。対照的に、進学前からオープンスクールなどで小学校の実態を目にしている子どもは、勉強に対して前向きであるケースも見受けられました。子どもたちがなるべくギャップを感じずスムーズに小学校生活を送るためには、大人がどれだけ子どもの言葉を拾い上げ、反映させるかにかかっています。

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先生情報 / 大学情報

関西国際大学 教育学部 教育福祉学科 准教授 椋田 善之 先生

関西国際大学 教育学部 教育福祉学科 准教授 椋田 善之 先生

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幼児教育学

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メッセージ

小学校に上がる前の子どもの世界は、遊びの中にあります。彼らは遊びを通して学び、経験し、すごいスピードで成長していきます。幼児教育を学んだ大人なら、彼らと一緒に遊ぶだけでゾクゾクするほど楽しく感じられるはずです。
大切なのは、子どもたち全員で1つのことを成し遂げた時の「できた!」という達成感です。これが後に社会に出てからも、ぶつかった壁を乗り越える原動力になります。かわいい子どもたちのこれからの人生の土台を作る、幼児教育の重要性と魅力を知ってほしいと思います。

先生への質問

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関西国際大学の特色は、確かなる「教育力」。教室内での学びは勿論、体験を通じて成長を実感できる学びのシステムがあります。「グローバルスタディ」では海外体験や学修の機会を豊富に設けています。また、「サービスラーニング」では地域貢献活動を通じて、活動の“振り返り”を重視しながら体験と知識を総合化することを学びます。何を学んだかでなく「何ができるようになったか」、一人ひとりがまず体験して、気づき、学び、夢に向かって輝いていく。確かな未来をつかむために4年間「ワクワクドキドキの体験」をはじめてみませんか。