小学校の進学時に生まれるギャップ 解決のカギは大人たち
小学校に進学する際に大事な「幼小接続」
教育現場では、子どもが幼稚園・保育園などから小学校に進学する際、スムーズに過ごすための「幼小接続」という言葉があります。幼稚園・保育園などから小学校に進学する際、がらりと環境が変わるため、多くの子どもが勉強や人間関係などにギャップを感じています。その結果、「登校渋り」という学校に通えない子どもたちや、「小1プロブレム」という、授業中に歩き回ったり、座席に座っていられなくなったりする子どもが生まれます。これまでは「不適応行動」として一括りにされていましたが、最近そういった子どもたちが増加していることで、幼小接続がより注目されるようになりました。
子どもたちが小学校に期待すること
小学校の進学を控えた園児に、小学校で楽しみにしていることや不安に感じていることを調査した結果があります。ポジティブな意見では「国語や理科が楽しそう」や「身体を使った活動や遊びを小学校でも楽しみたい」というもの、ネガティブな意見では「勉強についていけるか不安」「友達ができるか心配」というものが主でした。さらに、その小学校に入学してから同じ子どもたちに話を聞くと、勉強面を期待していた子は小学校に上がってもスムーズに適応でき、逆に運動や遊びを期待していた子は、小学校であまり遊ぶ時間がないことにギャップを感じ、不満を抱くという傾向がありました。
ギャップはなぜ生まれる?
子どもたちが小学校にギャップを覚える原因としては、小学校に関する知識の不足が挙げられます。子どもの中には、普段小学校のグラウンドしか目にしていないため「小学校=遊ぶ場所」ととらえている子もいました。対照的に、進学前からオープンスクールなどで小学校の実態を目にしている子どもは、勉強に対して前向きであるケースも見受けられました。子どもたちがなるべくギャップを感じずスムーズに小学校生活を送るためには、大人がどれだけ子どもの言葉を拾い上げ、反映させるかにかかっています。
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関西国際大学 教育学部 教育福祉学科 准教授 椋田 善之 先生
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