日常生活でなじみの深い現象が研究対象
恋愛や結婚についての考え方が男女で異なるのは?
社会心理学では、「晩婚化はなぜ進むのか?」「できちゃった婚はなぜ増えているのか?」「日本ではなぜ育児に参加する男性が少ないのか?」など、恋愛や結婚など、日常生活でなじみの深い現象を扱います。
例えば、“愛よりお金が大事”という女性が登場するドラマを観て、恋愛や結婚の条件について考えます。学生に「恋愛の条件と結婚の条件は同じと思うか、違うと思うか?」とアンケート方式でたずねると、男女で回答の分布に大きな差が出ます。女子では「恋愛の条件と結婚の条件は違う」という回答が多数を占めるのに対し、男子では「恋愛と結婚の条件は同じ」という回答が多いのです。
アンケート結果を紹介すると、「男女の意識はこんなにも違うのはなぜ?」と、学生から驚きと疑問の声があがります。こうした生の驚きや疑問を大切にし、恋愛や結婚をめぐる男女の心理やその背景について分析することができます。
他人について知ることは自分を知ることでもある
携帯電話が普及して、誰とでもいつでも手軽に連絡を取り合えるようになっています。しかし、頻繁にメールのやりとりをしたり、たわいのない話もたくさんしていても、実のところ、友だちの深い部分を知らないということは、よくあることではないでしょうか。
授業などで、「あなたの家族はどんな家族?」と聞くと、「普通」と答える学生が多いのです。しかし、少し詳しく語ってもらうと、家族も十人十色であることがわかってきます。同じ大学の同じ教室で学ぶ同じ年頃の仲間が、自分とはかなり違う家庭で育ってきたという事実は、学生たちにとって新鮮な衝撃のようです。
自分のことを普通と考えるのは、他人のことを知らないからです。他人の発言や行動の背景に意識を向けると、自分への理解も深まります。社会性や思いやりの心は、他人について興味・関心を持つところから育まれるのです。
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