若手とベテラン先生、絵本の読み聞かせを比べてみたら?
絵本の読み聞かせは、なぜ大切?
保育園や幼稚園では、子どもに絵本の読み聞かせをします。1冊の絵本をみんなで見聞きし、話し合ったりすることで、人間関係や一体感を育むことができると考えられているからです。また、情報を認識する基礎力や、読み書き能力の発達を促すともいわれています。しかし放っておくと、子どもが自分から絵本を読むことはありません。ですから絵本に興味を持ってもらうように、先生たちは工夫しています。どのような工夫をしているかの調査では、5歳児クラスで絵本の読み聞かせを観察してみると、若手の先生とベテランの先生にいくつかの違いが見て取れました。
若手とベテランの先生の違いとは?
若手の先生は、子どもを定位置に座らせて、集中して話を聞くような雰囲気をつくります。途中で発言したい子がいても、読み聞かせが終わった後でするようにと、小学校の授業のように時間を区切っていたのです。ところがベテランの先生は、子どもたちを好きな場所に座らせて、導入のお話をしながらリラックスした雰囲気づくりをします。読み聞かせの途中で子どもたちが反応や発言をしても、注意しないで受け止めて、そのまま読み聞かせを続けるのです。絵本の選び方も、若手の先生は5歳児向けの本を選びましたが、ベテランの先生は後半になると絵の少ない物語の読み聞かせをしました。
鍵になるのは、先生の「専門性」
どちらの先生も子どもたちに「集中して聞いてほしい」という同じ思いがあります。では、なぜこのような違いが出たのでしょうか。それは専門性の高さによるものです。ベテランの先生は、5歳児が勝手な発言しても、きちんとお話を聞けていて、内容が理解できることをこれまでの経験や勉強から知っていたのです。このように先生の認識は、個人によってさまざまです。子どもたちの発達や心理を認識して専門性を高めるためには、研修をしたり、先生同士が互いに思いや考えを語り合ったりする機会がさらに必要でしょう。
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先生情報 / 大学情報
帝京大学 教育学部 初等教育学科 こども教育コース 助教 呂 小耘 先生
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