飼い主との連携で動物を救え! 動物看護師に必要なスキルとは
国家資格になり注目される動物看護師
犬や猫などの伴侶動物(ペット)たちは、飼い主にとって大切な家族です。彼らが病気のときだけでなく、普段から健康で幸せな生活を送るためにあらゆるサポートをしていくのが、2019年から国家資格になった動物看護師の仕事です。業務には大きく「診療の補助」、入院している動物の「看護ケア」、そして動物種の特性に合った適切な飼育方法を飼い主に教育する「適正飼養に関する助言と支援」という3つの柱があります。適正飼養にはしつけ、栄養管理、ワクチンによる病気の予防など、ペットが人と暮らしていくために重要なことが含まれています。
研究でより多くの犬や猫を救うには
ペットの栄養管理は、その健康寿命を延ばすために生涯を通じて欠かせないものです。人と同じように犬や猫も年を重ねて必要な栄養素のバランスは変わっていきますし、また病気の有無によって制限したり強化する栄養素も変化します。そのときどきに応じた適切な栄養管理が非常に重要なのです。
大学病院では糖尿病の動物の診療に携わることが多く、食事療法によって血糖コントロールの改善や肥満予防の効果を研究し、治療に役立てています。こうした研究には、動物たちと飼い主の協力が必要不可欠です。動物の糖尿病についての研究は世界的にも数が少なく、糖尿病とともに生きる犬や猫を救う貴重なデータとなっています。
飼い主とのコミュニケーションがカギ
動物は体調が悪くなっても自分で病院に来ることはできません。飼い主が動物の異変に気がつき、動物病院を選んで連れて来てもらい、そこではじめて私たちは動物を救うことができます。飼い主との信頼関係の構築が治療の最初の一歩になります。そのために動物看護師にとって必須のスキルがコミュニケーション力です。飼い主がペットの病気を家族の病気と受け止め、いかに治療に前向きになれるかが、ときにはその動物の命をも左右します。「一緒にがんばっていきましょう」と飼い主を支えることも、動物看護師の大切な役割なのです。
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先生情報 / 大学情報
日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医保健看護学科 講師 小田 民美 先生
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