未来をどう守る? 私たちの生活に影響する2つの安全保障
世界の緊張と日本の安全保障
歴史上、人間は戦争を繰り返してきました。現代においても、2022年にロシアがウクライナに侵略するなど、世界では対立が絶えません。その中で、日本は東アジアを中心とした平和にどのような貢献ができるのでしょうか。一方、日米安全保障条約に基づく米軍と自衛隊の一体化が推し進められ、集団的自衛権の行使が容認されるに至りました。これらは日本の安全保障に直結する問題で、もし戦争が始まったら、日本が最前線となる可能性もあるという歴史的な転換点にいるといえるでしょう。そんな状況だからこそ、「軍備を増強することで本当に日本や私たちの生活を守れるのか?」という問いを考えることが大切です。
核と平和、これからの日本の役割とは
日本は世界で唯一、戦争で被爆した経験を持つ国です。そんな日本が核武装をしようとしたり、反撃能力(敵基地攻撃能力)で他国を攻撃しようとしたりすると、世界の秩序が壊れてしまうかもしれません。科学技術がどんどん進歩して、通信技術やドローン、AIなどが戦争を激しくしていますが、これを止められるのは、私たち人間の理性だけです。だからこそ、力を持つことだけがすべてではなく、平和を大切にする姿勢が必要だと考えられます。日本は被爆の経験を伝えることや、環境問題への取り組みなど、軍事力以外で世界に貢献することも求められているのです。
私たちの生活と「人間の安全保障」
安全保障というと、「国家安全保障」すなわち国と国との問題というイメージかもしれません。しかし、それは私たち一人ひとりにも直結する問題です。戦争時には多くの人が難民となることや、化学兵器の犠牲になることもあります。また、平和な時期であっても、貧困や搾取、災害などが私たちの生活を脅かしています。現在の日本でも、相対的貧困が深刻化しており、私たち一人ひとりの生活がどう安全に保たれるかが問われています。このような「人間の安全保障」を意識することは、社会問題を理解して、解決に向けて動くための重要なステップといえるでしょう。
参考資料
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東北福祉大学 総合マネジメント学部 情報福祉マネジメント学科 教授 生田目 学文 先生
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