ディベートで、国際社会のコミュニケーションルールを身につけよう!
ディベートは論理的な議論の場
「ディベート」というと、人の意見を攻撃して、激しく議論を戦わせるイメージを持っていませんか? それは少し違います。ディベートは、あるテーマについて対立する意見を発表し合い、論理的に議論するコミュニケーションの方法です。
ディベートで基本となるのは、自分の「意見」とその「理由」をはっきり述べることです。英語圏の国では、子どもの頃から学校でディベートを学びます。つまり意見と理由を述べる論理的なディベートが、英語の基本的なコミュニケーションスタイルなのです。
「理由」を言わない日本人
その点、一般の日本人は、理由を言わないことが多いので、国際的なコミュニケーションが成り立ちにくいことがあります。こんな例がありました。日本を紹介する英語のガイドブックに「ご飯を箸で食べてはいけない」と書かれていました。それを書いた外国人記者が日本の飲食店でご飯を食べようとした時、お店の人に「箸で食べちゃだめ」と言われたからでした。おそらく記者が、茶碗からではなく大きな「おひつ」から直接、箸で食べようとしたのでしょう。でも、お店の人が「なぜ、だめなのか」を言わなかったので、彼は誤解をしたまま記事を書いたのです。
ディベートのSVOを身につけよう
ディベートには、英文法の第3文型「S(主語)+V(動詞)+O(目的語)」と同じように、「S(意見)+V(理由)+O(説明)」という基本の形があります。S(意見)とV(理由)だけでも主張はできますが、さらにO(説明)が述べられると素晴らしいとされています。世界各国でディベート大会が開催されていますが、ディベートにおいて日本人は「理由ばかりが先行して、意見が後回しになる」、アメリカ人は「意見と理由を交互に述べる」などの傾向が見られます。それぞれお国柄が反映されていて面白いところです。
グローバル社会で、文化や習慣の違いを越えてコミュニケーションするために、ディベートはぜひ身につけておきたいスキルです。
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先生情報 / 大学情報
愛知淑徳大学 グローバル・コミュニケーション学部 教授 ダニー・モルデン 先生
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