デジタルで新しい価値を作り出す 企業経営と情報技術
オンライン授業の効果
新型コロナウイルスの流行以来、大学をはじめとする教育現場ではオンライン授業が導入されました。当初は感染予防対策としてやむなく始まったものですが、現在では対面授業の補完にとどまらない、より効果的な授業形式としての効果も発揮しています。
その一つが合理化です。オンライン授業専用に開発されたシステムを使えば、教材の提示や授業の記録に必要な手間を大幅に減らすことができます。さらに、インターネットの動画サイトのように匿名のコメントを自由に発信できる仕組みを導入した事例では、対面授業と比較して驚くほど活発な生徒の反応を得ることができました。これは二つ目の効果である、「新たな価値の創出」です。
企業での情報技術導入
現在、日本では企業のデジタルトランスフォーメーションが推進されています。この取り組みは、デジタル技術を企業経営に活用することで、ビジネス環境の変化に適応し、競争力を高めることをめざすものです。日本の多くの企業では、情報技術による経営の合理化が進展してきましたが、海外の企業はさらに進んだ段階にあり、新たな価値の創出を追求しています。オンライン授業が対面授業よりも多くの反応を引き出したように、デジタルならではの価値を作り出すことが求められているのです。例えば、工事現場で活躍する大型の建設機械を扱う企業では、重機にセンサを搭載して、稼働状況をリアルタイムでデータ収集するなど高度なIT化を進めることにより、人手不足を解消するとともにデジタルならではの施工精度の向上を実現しています。
企業経営の進歩に役立つ研究
現代の企業にとって、情報技術はもはや業務合理化のためのツールにとどまりません。情報技術を活用することでしか実現できない価値を創造するためには、これまでの企業経営の前提条件や仮定の見直しが求められることもあります。技術の進歩に伴って、企業経営の方法を常に新たな視点で再評価することが繰り返され、そのための研究は企業経営の進歩にとって非常に重要な役割を果たしています。
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