国境を越えるネットショッピングの実態とは~最新の調査から~

国境を越えるネットショッピングの実態とは~最新の調査から~

「越境EC」って何?

海外サイトを利用したネットショッピングは、「越境EC(eコマース:電子商取引)」と呼ばれています。ネットショッピングというと、日本では楽天やアマゾンなどのサイトがありますが、海外のネットショッピングサイトに直接アクセスする越境ECの実態については公的機関などで捕捉することができず、謎のベールに包まれていました。そこで2010年以降、経済産業省が本格的な調査を行ったところ、越境ECは言語や通貨、法律の違いといった障壁があるにもかかわらず、その市場規模は拡大していることがわかったのです。

越境ECの実態

調査によると、例えばアメリカからの越境購入では、日本のアニメの玩具・フィギュア類がよく売れていました。自国では手に入らない珍しい品物を好む消費者のニーズに越境ECが応えているのです。中国人には、日本製の粉ミルク・紙オムツなど、高価格でも安心・安全で高品質な商品が人気でした。また、海外の業者と直接取引する越境ECは、中間マージンがかからず、税金や送料が不要なケースも多いため、中国製の激安衣料品の売れ行きが伸びています。世界の消費者が「レアなもの」「高品質」「圧倒的な安さ」などの魅力にひかれ、積極的に越境ECを利用しているという実態が浮き彫りになりました。

海外取引の概念が変わる!

国内では人気が低迷している日本酒ですが、近年、世界では日本食ブームにともなって日本酒の良さが見直され、その需要が大きく伸びています。蔵元や酒造会社にとっては願ってもないチャンスですが、新たに海外出店するには、人材やノウハウ、資金など重い負担がかかります。そこで注目されているのが越境ECです。簡単に海外取引ができる有力なツールとして期待され、実際に海外向けサイトの運営も始まっています。従来の貿易ビジネスの概念を大きく変えつつある越境ECは、その実態や今後の動向についてはまだわからないことも多く、研究課題として取り組みがいのある分野です。

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阪南大学 経営学部 経営学科 教授 伊田 昌弘 先生

阪南大学 経営学部 経営学科 教授 伊田 昌弘 先生

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