偶然を生かすキャリアの考え方でメディカルスタッフと患者を幸せに
医療の世界で求められるマネジメント
「マネジメント」とは、どのように組織を運営したら成果をあげることができるかを考える理論、方法のことです。医療介護福祉分野は、あらゆる業種を巻き込んで成長を続ける、若くて柔軟な発想と行動力を持った人を必要としている領域ですが、いろいろな専門職の人々がチームを組んで業務を遂行することが非常に多くなっています。そのような中、医療・情報・経営管理の知識を持った「チーム運営のプロ」として、医療マネジメントを学んだ学生への期待と関心が高まっています。
「クランボルツの計画的偶発性理論」
医療マネジメント学における学びの一つ、人的資源管理学において「クランボルツの計画的偶発理論」という考え方があります。この理論では、キャリア形成において変化の激しい社会に適応するため、何をしたいかに固執せず、好奇心・持続性・楽観性・柔軟性・冒険心を持ち、例えば転勤などの想定外の出来事を「新たな可能性を開くチャンス」ととらえると飛躍することができると考えます。事実、成功したビジネスパーソンの80%は、18歳のときに考えていた仕事には就いておらず、偶然のチャンスを生かしながらキャリアを築いたというデータがあります。この理論をベースにした対応例として、人事異動の際、管理者が単に異動を指示するだけでなく、新しいポストを挑戦する意欲や、スタッフ自身のキャリア形成にプラスにするきっかけとなるように導くことで、病院とスタッフ双方にメリットが生じることを目指す、ということがあげられます。
人事に生かす人的資源管理
また、人的資源管理学では、目標を達成しうる「良い組織」「良い構成員」を機能させるための様々な考え方を研究しています。例えば、お互いの意思疎通がうまく行く体制をどうやって作っていくのか、異動など人事に関する話し合いをどうしたら建設的なものにできるかなど、スタッフが意欲的になり、ひいては顧客へのサービス向上につながる研究があげられます。
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先生情報 / 大学情報
国際医療福祉大学 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部 医療マネジメント学科 教授 篠浦 丞 先生
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先生への質問
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