目の酸欠は危険! 目に優しいコンタクトレンズの選び方
酸素をよく通すシリコーンハイドロゲルレンズ
目に優しいコンタクトレンズを選ぶポイントは、レンズが酸素をどのぐらい通すかを示す「酸素透過率(Dk/L値)」です。終日つける場合、目の健康を守るための酸素透過率の目安は24.1以上とされています。ソフトコンタクトレンズの素材は、ハイドロゲルとシリコーンハイドロゲルの2つに大別され、シリコーンハイドロゲルのほうが酸素透過率は高く、より目に優しい製品です。カラーコンタクトレンズはほとんどがハイドロゲルの製品なので、選ぶときには「酸素透過率24.1以上」が目安です。
酸素不足で目の細胞の減少が加速
目が酸素不足になると角膜のバリア機能が落ちて、目が傷つき、角膜感染症を起こすリスクが上がります。また、角膜の一番奥にある角膜内皮細胞の減少が進みます。内皮細胞は生まれたときをピークとしてだんだん減っていきますが、酸素不足はそのスピードを上げてしまうのです。
内皮細胞は角膜の透明性を保つ働きをしており、細胞数が大きく減少すると角膜が濁り、視力の低下がおこります。内皮細胞は再生しないため、酸素不足の予防はとても大切です。
水分が多いレンズのほうが目は乾きやすい
ソフトコンタクトレンズに、どのぐらい水分が含まれているかを示す「含水率」もポイントです。含水率50%以上の高含水レンズは、水分を多く含んでいるため、レンズからの水分蒸発量が多くなります。するとレンズは、失った水分を涙で補うため、ドライアイになりやすいと考えられています。
コンタクトレンズについての研究は、眼科医学のほか視能矯正学の分野でも行われています。視能矯正学科が養成する視能訓練士は眼科のさまざまな検査を専門にする国家資格です。子どもの目の発達をサポートするエキスパートでもあり、斜視や弱視の早期発見・訓練も大切な仕事です。近年は近視の発症が低年齢化しており、子どもの近視の予防・治療のための検査においても力を発揮することが期待されています。
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帝京大学 医療技術学部 視能矯正学科 講師 中込 亮太 先生
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