スマホやタブレットから現代人の目を守る!

スマホやタブレットから現代人の目を守る!

スマホの長時間使用が目に与える影響

近年、日常生活に欠かすことのできないスマホやタブレットなどのデジタル機器。普及して約10年が経ち、長時間使用によって「ドライアイ」、「スマホ老眼」、「スマホ斜視」など目に影響を与える可能性があることがわかってきています。

なぜスマホの使用でドライアイになる?

ドライアイは涙の安定性が低下する疾患です。ドライアイには大きく分けて2つの種類があります。量的な異常の「涙液減少型」と、質的な異常の「涙液蒸発亢進(こうしん)型」です。涙の検査には、涙そのものを調べる「涙液検査」と、涙の通り道を調べる「涙道検査」があります。涙液検査ではシルマー検査といって涙液量の測定をします。涙道検査では涙の通り道がつまっていないか検査します。研究によって、スマホ使用によるドライアイは「涙液蒸発亢進型」であることがわかっています。
涙はまばたきをすることで分泌されます。スマホ使用時と使用していない時のまばたきの回数を比較すると、通常は15回/分ですが、スマホ使用時は4~7回/分と半分以下に減少することがわかりました。まばたきは視線を動かしたとき(眼球運動)に併せて起こります。スマホなどの小さい画面を見る際は視線があまり動かないため、まばたきの回数が減少してしまい、ドライアイにつながります。

デジタル機器から大切な目を守るためにできること

私たちは外からの情報の80%以上を視覚、目から得ています。デジタル機器から目を守り、上手に付き合っていくため、デジタル機器が目に与える影響についてデータが集められてきています。身近にできる予防としては、デジタル機器を1時間使用したら10分程度は遠くのものを見ることや、ホットアイマスクや冷たいタオルを使用し目を休憩させることです。また、スマホと目の距離、スマホの位置によりまばたきの回数が改善できる可能性が示されています。これらのデータをもとに、ドライアイから大切な目を守るための指標の確立をめざした研究が進められています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

帝京大学 医療技術学部 視能矯正学科 准教授 渡部 維 先生

帝京大学 医療技術学部 視能矯正学科 准教授 渡部 維 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

眼科学

先生が目指すSDGs

メッセージ

高校生のうちから本当に何をやりたいか決まっている人は多くないと思います。どんなきっかけでもいいので、少しでも興味があって、やってみたいと思うことがあるなら、まずやってみることをおすすめします。人から聞いただけではわからないので、まずは自分の目で見てみましょう。違うなと思ったら引き返せばいいと思います。ささいなきっかけが思いがけない出会いとなることがあります。一度きりの人生なので、やらないで後悔するよりもやってみたほうがいいと思います。躊躇(ちゅうちょ)せず一歩踏み出してみてください。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

帝京大学に関心を持ったあなたは

医療系・文系・理系と幅広い分野の10学部32学科を擁する総合大学です。医学部・薬学部・医療技術学部を擁する板橋キャンパスの最大の特長は、医学部附属病院が隣接している点。学生は救命救急センターやERなど最先端の医療を、実習を通し体感できる場ともなっています。都心へのアクセスも良好であり、キャンパス最寄りの十条駅から池袋駅へ7分程度で行けますので、ショッピングなども気軽に楽しめます。