準備次第で発生が半減!? けが予防に効果的なエクササイズの考え方
予防エクササイズで「けが」のリスクが50%減少
スポーツを行うにあたって、切っても切れない関係にあるのが「怪我(けが)」です。けがの重症度、あるいは頻度(けがの繰り返し)によっては、アスリート生命に大きな影響を与えます。実は最新のスポーツ科学では、けがの発生リスクを半分まで減らせるという研究結果が出ています。その鍵を握るのは、科学的根拠に基づいて作成された「エクササイズプログラム」による予防です。
「けが」を知ることが予防の出発点
特に重症度が高く、復帰まで1年前後を要するけがの代表が「膝前十字靭帯(じんたい)損傷」です。これは思春期以降に多く発生するけがのため、好発年齢の数年前からエクササイズを積極的に取り入れることが重要です。その際、筋力・バランス・柔軟性・敏捷性など、さまざまな体力要素に関するエクササイズを複数組み合わせた「マルチコンポーネントプログラム」を導入すると効果が高いこともわかってきました。
予防に必要なエクササイズを見極めるためには、けがを知ることが肝心です。いつ、どんなときに、どのようにして起こるのかを知るために、けがをした選手の映像、あるいは、けがをしそうな場面の映像を解析することで、予防のヒントが得られます。そして、どのような身体機能を改善させればけがのリスクを減らせるのかを分析し、それを向上させるプログラムを立案・導入していくという流れで、予防のステップは進んでいきます。
心理状態次第で「けが」からの復帰も早まる
また、心理状態もけがに影響することが近年注目されています。不安やモチベーションの欠如といったネガティブな心理状態は、競技への復帰を遅延させたり、けがの再受傷リスクを高めるいう研究結果が出ています。
これまで不運や偶然というイメージが強かった「けが」ですが、そのメカニズムを究明することで予防対策を講じられます。けがのリスクは体力面・技術面だけでなく精神面にも関係していることがわかってきており、現在進行形でさまざまなことが解き明かされ始めています。
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