睡眠も食事もタイミング次第! 健康の3要素を考える
栄養・運動・休養が健康の3要素
健康の3要素と言われているのが、「栄養(食事)」「運動(トレーニング)」「休養(睡眠)」です。そしてそれぞれは、どれか1つが足りていれば健康になれるというものではなく、複合的に作用するものです。
これらの要素は、「いつ」それを行うかというタイミングによっても効果が大きく変わります。例えば、「朝ごはんを食べたほうがいい」「夜遅くの食事はよくない」とはよく言われることです。しかし、こうしたことを実際にヒトの行動でデータをとった研究は少なく、エビデンスに基づいた健康づくりを考えるためには、重要な研究だと言えます。
体内時計は25時間周期
生物には、それぞれ体内に時間の経過を計る、「体内時計」と呼ばれる機能があります。ヒトの体内時計は約25時間周期のリズムになっています。そのままだと1日1時間ずつずれていくことになりますが、日光を浴びたり食事をとったりすることをきっかけとして、生活リズムはリセットされると考えられています。「朝ごはんを食べたほうがいい」というのは、朝ごはんを抜くと体内時計のリセットがスムーズにいかずに、生活リズムにずれが生じていくからなのです。
取り組みやすい健康維持のために
タイミングの問題は、日常の健康だけにとどまりません。例えば、世界で活躍するアスリートが、国際大会において時差ボケに苦しむという話はよく聞きます。時差ボケとは、体内時計と現地時間のずれによって生じる不調です。それによるパフォーマンスの低下を防ぐためには、食事や睡眠、運動のタイミングをそれぞれ考慮して体調を整える必要があり、こうしたことにも科学的なエビデンスが求められています。
毎回、栄養バランスを考えた食事を取るのは難しいものですが、タイミングよく食事をとるということは、ちょっとした心がけ次第で実行できるものです。健康の3要素の複合的な効果や、そのタイミングの研究が進めば、あらゆる人が健康維持により取り組みやすくなるはずです。
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広島大学 総合科学部 総合科学科 准教授 緒形 ひとみ 先生
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