グループ体験で良好な人間関係を築く

グループ体験で良好な人間関係を築く

人間関係の活性化

私たちが社会生活を営むうえで、他者との関係は悩みの種です。そこで、できるだけ良好な人間関係を築くための実践的な研究として、さまざまなグループ体験が行われています。グループ体験で得られた知見は、研究にフィードバックされ、次のグループ体験に活かされます。
学問的な造詣が深く、実践経験が豊富なリーダーによって運営されるグループ体験ほど、参加者の気づきや学びは大きいとされています。この分野の基礎となるのは、心理学者カール・ロジャーズのエンカウンター・グループです。

グループ体験による効果

グループ体験の活動の一つに、自尊感情を刺激する活動があります。参加者のうち任意の人、数名の「よいと思うところ」を書き合うという活動です。ほぼ初対面の相手に感じる印象を書くのですが、書かれた相手からすると自分には見えてなかった自分の像(よいところ)に気づくことがあります。この体験によって、一時的にせよ、参加者の自尊感情が高まることが確認されています。単純な活動のように思えますが、人間関係をつくる基盤の一つである自尊感情を刺激するという目的に沿って展開されるため、いわゆるレクリエーションのゲームなどとは異なります。

援助者援助という視点での取り組み

看護や保育、相談などの仕事に携わっている人々は「援助者」といえます。そうした援助者を援助する取り組みも、グループ体験を通じて行われています。例えば、就学前の子どもたちを保育する保育士同士の人間関係や、保護者との関係を良好にすることは、保育士の方々はもちろん、子どもたちにとっても肯定的な影響があると考えられます。こうしたグループ体験からは、自分の短所や長所にあらためて気づいたり、他者を見るときの視点が広がって子どもや同僚、保護者のよいところを見出せるようになるといったよい変化が期待できます。こうした変化を定着させるためには、グループ体験の直後に感じたことや気づいたことなどをふりかえる活動が大切です。

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東海大学 文化社会学部 心理・社会学科 教授 有沢 孝治 先生

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心理学

メッセージ

グループ体験では、必ずしも多くを語ったり、流ちょうに話なさなければならないということはありません。大切なのは、素朴でも自分の言葉で一生懸命に話をして、相手に関わろうとする姿勢です。グループ体験は1度だけであっても、自他理解が深まり、その後の人間関係形に貢献することがあります。機会があれば挑戦してみてください。
グループ体験にかかわらず、何事においても一歩前に出ることは自己の成長につながると思います。一歩が苦しければ半歩、1/3歩でもいいので、迷いながらでも前に進む生き方をしてほしいです。

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