新しいものづくりの方法「デジタルファブリケーション」
デジタルファブリケーションとは?
3Dプリンタなどの機材やデジタルデータを活用してものづくりをする分野は「デジタルファブリケーション(以下、DF)」と呼ばれています。従来の製品デザイン、いわゆるインダストリアルデザインやプロダクトデザインでは、工場での大量生産を前提としたものがつくられていました。一方、デジタルファブリケーションでは少量生産や適量生産が可能です。ヘッドホルダーのような、一人一人の身体にぴったりなオーダーメイドの製品も、必要なだけ安価に生産できます。人々の困りごとを解決するものづくりを実現しようと、デジタルファブリケーションを応用する研究が続いています。
DFによるヘッドホルダーの開発事例
人が頭に装着するヘッドホルダーは、脳波計測などで使用しますが、これまで個人にあわせたヘッドホルダーはありません。しかし、3Dスキャナーという現実世界の物体をデジタルデータとして入力する装置で頭部形状をデジタル化し、そのデジタルデータを活用してヘッドホルダーをつくると、その人にピッタリとあったヘッドホルダーを実現できます。このホルダーを脳波計測やアイカメラのホルダーに展開すると、より精度の高い計測が可能になったり、障がいのある方でも負担なく視線計測をおこなえるなど、障がいの有無にかかわらず、人の負担を減らしながら利便性や有効性を高めることができます。
広がるDFを活用したものづくり
DFのものづくりは、ますます広がります。近年では、ボールペンからシューズ、ロケットまで3Dプリンタでつくられようになりました。これまでの製造方法では実現できなかった構造やデザインも、DFで実現ができる時代になってきています。
また、3Dプリントされた住宅も実現されるなど、これまでの製造方法やものづくりが大きく変化しています。
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先生情報 / 大学情報
神戸芸術工科大学 芸術工学部 生産・工芸デザイン学科 准教授 蛭田 直 先生
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