マンガの魅力はコマ割りにあり!
名シーンは計算しつくされていた!?
感動的なシーンや、思わず笑ってしまう場面など、マンガには、読者を引きつけるさまざまな工夫が凝らされています。実はその多くは「コマ割り」という技術によって生み出されています。
コマ割りとは、枠線で区切った絵(コマ)を紙面上に配置することで、その大きさや位置、セリフ、擬音などを駆使して、時間や空間、感情を表現する難度の高いテクニックです。キャラクターの描き方やストーリーの作り方と同様に、コマ割りにも一定の法則があることがわかってきました。これまで感覚的に行われてきた技術を、誰でも理解できるように理論化した実践的な教育プログラムの開発が進められています。
マンガの進化は止まらない!
近年のスマートフォンやタブレットの普及に伴い、縦スクロール漫画形式「ウェブトゥーン」が世界中で注目を集めています。ウェブトゥーンは縦長の画面構成や没入感、先読みができない展開が魅力です。一方で、従来の「横読み」と比較して、画面の大きさや読者の視線の動きなど異なる点も多く、現在はウェブトゥーンの特徴を最大限に生かすための表現について研究がなされています。例えば、横読みの見開きの演出を縦スクロールでいかに表現するか、また限られた画面の中で、どのように読者の視線を誘導するかという課題があり、この形式ならではの可能性が模索されています。
あきらめずに作品を完成させる熱意
世界規模でみると珍しいことですが、日本では多くの作家がプロとして自立した生活をしています。これは多様なジャンルの漫画があるからこそで、例えばテーマが食べ物やスポーツのジャンルは日本独特のものです。日本のマンガ家はストーリーから絵まですべて自分で手掛けるため、ゼロから創作する発想力が求められることから、独自の作品の世界観が生まれやすいのです。
ただし、だからといって特別な才能は必要ありません。必要になるのはマンガを好きな気持ちと、あきらめずに作品を完成させる熱意なのです。
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先生情報 / 大学情報
神戸芸術工科大学 芸術工学部 メディア芸術学科 教授 菅野 博之 先生
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先生への質問
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