日本で同性婚は認められるか?
同性婚を認めるか
あなたは同性婚を認めるべきだと思いますか?
2015年、アメリカの連邦最高裁判所は、同性カップルにも婚姻の権利があり、同性婚を認めないことを憲法違反としました。アメリカ憲法では、婚姻の権利を憲法の条文で規定されていません。しかし、1973年、女性の妊娠中絶についての裁判で、子どもを産むかどうかはその人のプライバシーにかかわる問題であり、自己決定に委ねられるという判決が下されました。そして、自己決定権には中絶だけでなく、婚姻の権利も含まれることが明らかにされました。こうした考えに基づき、同性婚も同性カップルによる婚姻の権利として憲法上認められたのです。
日本国憲法の解釈
一方で、日本で同性婚は、まだ認められていません。「すべての国民は、個人として尊重される」とする憲法13条、そして「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」とする憲法14条があるにもかかわらず、同性カップルの婚姻は認められずにいます。これにより、配偶者控除や遺産相続といった婚姻に基づく法的な効果を同性カップルは享受できません。ここには、「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」という憲法24条1項の条文が関係しています。婚姻も含めて、憲法に違反する法律をつくることはできません。仮に「両性」を「男女」と解釈するならば、日本で同性婚を認めるにはどうすればよいでしょうか。
自己決定と他者の存在
私たちが日常生活を営む上で、直接的であれ間接的であれ、他者とかかわりながら生きています。婚姻や出産も、私たちが単独で行える行為ではなく、他者の存在が必要不可欠です。人生の中の多くの場面に他者がかかわってくる以上、「子どもを産む」「誰と結婚する」といった個人単独の選択としてではなく、他者の存在を考慮して、「他者との関係性を構築する」ための選択の問題という視点をもって、自己決定権を捉え直してみることも必要なのではないでしょうか。
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