「自由・平等・フロンティア精神」 アメリカ人が最も大切にするもの

「自由・平等・フロンティア精神」 アメリカ人が最も大切にするもの

アメリカはいかにして誕生したのか

アメリカとはどういう国なのでしょうか? これは、アメリカがどのようにして建国されたかを見るとわかります。アメリカは主にイギリスからの移民がつくった国です。当時のイギリスは、カトリック教会に似た階層組織を残すイギリス国教会が支配していました。国教会の首長はイギリス国王です。それに対し、清教徒(ピューリタン)と呼ばれる人々が反発します。彼らは弾圧を受け、そこから逃れるためイギリスの植民地だった北米新大陸に移住し、旧約聖書の「約束の地」にアメリカを重ねました。

「自由」はアメリカ人の魂

彼らが重視したのは個人の「自由」と神の前の「平等」です。自由とは信仰と言論・表現の自由であり、国王や貴族による支配からの自由です。支配者に抵抗することを厭(いと)いません。自由への思いはアメリカ人の魂です。宗主国イギリスからの独立革命を経て、君主ではなく国民が主権者である共和制を憲法で打ち立てました。世界最初の立憲国家の誕生です。
アメリカ人の心性には西へ西へと向かう「フロンティア(開拓者)精神」があります。イギリスから新大陸に移り、「(白人文明の)明白な天命」を合言葉に、先住民を追い払って西部を開拓し、太平洋を越えアジアに達しました。やがてアジアでの覇権をめざした大日本帝国と衝突します。

トランプ政権後の政策を歴史から理解する

ピューリタンの「建国神話」や自由を尊ぶアメリカ魂は、現代の多くのアメリカ人の中にも生きています。当初の平等はキリスト教徒の白人男性が対象で、女性や黒人奴隷、先住民は含まれていませんでした。でも現在のアメリカはさまざまな人種・民族、ユダヤ教徒、イスラム教徒なども共存する社会です。「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ政権は、白人至上主義とのつながりや、移民排斥などで批判されますが、白人労働者はじめ固い支持基盤があります。こうした複雑な政治状況を理解するには思想、宗教を含めたアメリカの歴史を知ることが大切です。外国を理解するには歴史を学ぶことが必要です。

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先生情報 / 大学情報

広島修道大学 国際コミュニティ学部 国際政治学科 教授 船津 靖 先生

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国際政治学

メッセージ

日本の政治や経済は日本を知るだけではわかりません。海外との関係を知ることが不可欠です。「国際関係で国が成り立っている」と言っても過言ではありません。
例えば、古代中国との国際関係がなければ日本国は生まれなかったし、アメリカとの関係なしに戦後の日本は存在しえなかったでしょう。海外のいろいろな人たちと話し、知識を吸収してください。とても楽しいですよ。そして人生の糧になります。何事も、理解するには時間がかかりますが、努力を続ければ、成長する喜びがあります。その喜びをぜひ味わってください。

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