乳幼児への言葉かけが、自己肯定感の芽を育み、子どもの未来を変える
幼児期に育まれる自己肯定感
日本の中高生における自己肯定感の低さは、世界でもワーストクラスと言われています。自己肯定感を高めるには、乳幼児期の幼児教育・保育が重要であることが研究によって明らかになっています。そのため、幼稚園教員や保育士、保育教諭には確かな実践力が求められます。
実践力の一つに「言葉かけ」があります。乳幼児に対して褒める、叱る、といった言葉を適切にかけることにより、思いやりや自己肯定感、ひいては自信の芽が育まれるのです。保育者の言葉には、子どもたちの未来を変えるほどの力があるといっても過言ではありません。
実践的な言葉かけを学ぶ
例えば、子ども同士のケンカでは単に仲裁するだけでなく、手を出してしまった子に「何があなたをそうさせているの?」など、言葉で根本原因に寄り添うことが大切です。また、工作などでは「この色きれいだね」など、具体的に褒めると本人の自信にもつながります。
ベテラン保育者による言葉かけを分析した結果、技法を使い分けたり、繰り返したり、組み合わせたりしていることが明らかになりました。そこで、保育動画を視聴しながら抱いた疑問に対し、ベテラン保育者から回答を即時フィードバックしてもらえる教材開発も進んでいます。これがスマホでいつでも学べるようになれば、保育者を目指す人の教育にも役立てることができます。
保育者が子どもの未来を変える
言葉かけは子どもたちに伝わらない経験の方が多いですが、失敗だと思われる経験の中に意味を見出していくプロセスは保育者の成長につながります。保育の世界では成功経験よりも、むしろ失敗経験の方が大切なのです。保育において無価値な経験は何一つないのです。
幼児教育・保育は、その子の人間性や人生を大きく左右します。特に、子どもたちの心に響く言葉かけの積み重ねは、彼らの未来を大きく変えます。保育者はそれだけ重要な役割を担っているのです。
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創価大学 教育学部 児童教育学科 准教授 戸田 大樹 先生
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