女性経営者を増やすには? 抱える悩みを探る

女性経営者を増やすには? 抱える悩みを探る

女性経営者はなぜ増えない?

日本政府は女性経営者を増やそうと、新たに起業した女性に支援金を出すなどの施策を行っています。しかし会社を経営する女性はなかなか増えていないのが現状です。そこで、金銭面以外にも課題があるのではないかと研究が行われています。例えば女性経営者へ行われたインタビュー調査では、育児など、女性ならではの理由が経営における足かせになっている場合があることがわかってきました。

女性経営者が抱える悩み

結婚している男性経営者の場合、妻が家事や育児などを担い、夫をサポートしているケースが多くあります。一方で結婚している女性経営者は、夫が家事などをしている割合は少なく、仕事も家事も育児もひとりでこなしている傾向が見られました。特に子どもが幼いうちに起業した女性の場合、助けてくれる人が周囲にいなければ経営と子育ての両立が難しくなっています。こうしたとき助けを求める相手は夫ではなく、女性経営者自身の両親や兄弟姉妹が多いのです。
事業の成功は、経営者がどれだけ会社に時間を割けるかに左右されると考えられます。女性経営者は会社以外のことに時間を使わざるを得ない場面が男性よりも多く、不利になりやすいわけです。女性経営者が周囲からの支援を受けやすくなるような仕組み作りが求められているといえます。

周囲を巻き込む大切さ

周囲からの援助は、男女を問わず経営者に大切な要素です。インド人の経営学者・サラスバシーによる、熟達した起業家が実践する思考様式「エフェクチュエーション」の1つに「クレイジーキルトの原則」があります。クレイジーキルトとは、さまざまな生地を縫い合わせて完成させる作品です。経営でもほかの人を巻き込んでいけば、想定以上の成果を上げられるとサラスバシーは説いています。女性経営者も生活や経営で周囲の力を借りられるようになれば、事業を発展させやすくなるでしょう。女性経営者が経営にあてる時間を確保できるような支援方法や、頼れる人を見つけやすくなるようなネットワークの構築が検討されています。

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太成学院大学 経営学部 現代ビジネス学科 講師 阪上 富貴子 先生

太成学院大学 経営学部 現代ビジネス学科 講師 阪上 富貴子 先生

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経営学

メッセージ

経営学は会社経営に関することだけでなく、例えば恋を成功させるためにはどう行動すればいいのかなど、日常生活に置き換えて考えられる部分がいくつもあります。きっとあなたが前に踏み出すための力になってくれるでしょう。まずは経営学を幅広く知ってください。大学では、起業のための事業計画を考えたり、社会で実践されているビジネスの裏側を知って議論したりもできます。あなたのアイデアをどんどん試して、是非一緒に経営学への理解を深めていきましょう。

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