自分で自分の機嫌をとるコツって何だろう

自分で自分の機嫌をとるコツって何だろう

誰だって落ち込むことはある

「日々機嫌よく暮らしたい」という思いは、多くの人が持っています。しかし、生活の中ではネガティブに感じるような出来事にも必ず出会うものです。そんな時にできるだけ落ち込みを少なくして、自分自身で早く立ち直るためにはどうすればよいのでしょうか。
ウェルビーイングは「よい状態」や「よく生きる」という意味で使われる言葉です。ウェルビーイングを維持向上させるための研究では、病気や悩みを抱えた人に限らず、すべての人を対象に「人がもともと持っている力」に着目して「よりよく生きるとは」を考えていきます。

「ありがとう」を1日1回以上唱えると?

例えば、感謝の言葉を1日に1回以上口に出す、もしくは思い浮かべることで、日常生活における心身の健康にどのような影響があるかが調べられました。つまり「感謝の実践」です。3カ月間実践した人へアンケート調査を行うと、感謝の気持ちが増しただけでなく、体調がよくなるなど体の変化や、悲観的だった考え方が楽観的になったと心の変化を感じる人もいました。このようなウェルビーイングにつながる実践はほかにもあり、自分の思考のクセやパターンに気づくこともその一つです。遠くから自分を眺めることで、自分自身の機嫌をよくするような「ものの見方」に少しずつ変わっていくことがあります。

日常に転がっているウェルビーイング

何かを読む、歌を聴くなど個人的な営みの中にもウェルビーイングにプラスになることはあります。そう考えると、「機嫌よく暮らす」ためのコツが日常の中にはたくさん転がっているといえるでしょう。また2000年以降、世界でウェルビーイングや感謝に関する実践研究が行われています。今後は海外の研究の中から日本の文化に合った方法を実践してみることも考えられます。例えば日本には「お地蔵さんに手を合わせる」や「お天気がよくなるよう祈る」など、目には見えない大きな力を信じる文化があります。そういったわれわれにとって当たり前のことに即した新たな方法も見つかるかもしれません。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

龍谷大学 心理学部  講師 牧 久美子 先生

龍谷大学 心理学部 講師 牧 久美子 先生

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メッセージ

心理学といえば、職業として心理カウンセラーをイメージするかもしれませんが、カウンセラーでなくても身近な人から相談を受ける機会は案外あるのではないでしょうか。日常で生かせるという意味で、心理学部で学ぶことは一生の財産になるでしょう。またウェルビーイングの向上やコミュニケーションスキルの伸ばし方など、どんなタイプの人にとっても役に立つことがたくさんあります。卒業後に企業に勤めている人も多く、カウンセラーなど臨床心理ど真ん中の仕事に就かなくても、心理学は得た知識をさまざまな分野で生かせる学問です。

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あなただけの世界から、私たちを想う世界へ

あらゆる「壁」や「違い」を乗り越えるために、「まごころ」を持ち、「人間・社会・自然」について深く考える人を育む。それが、龍谷大学の教育のあり方です。自分自身を省み、人の痛みに感応して、他者を受け容れ理解する力を持つ。人類が直面するリアルな課題と真摯に向き合う。そして様々な学びを通じて本質を見極める目を養い、自らの可能性を広げていきます。