「支援」とは、幸せで豊かな生活をサポートすること
社会と困っている人とをつなぐ
障害や高齢により、生活上の問題を抱えた人々と社会とをつなぎ、生活を支援するのが「ソーシャルワーカー」です。ソーシャルワーカーとは、社会福祉士や精神保健福祉士など対人援助の専門職の総称です。相談者の中には住まいや仕事など、地域の中での自立をめざす知的障害、身体障害、精神障害等のある方もいます。一人一人にニーズに合った福祉サービスやボランティア等の多様なサポートをつなげるために、ソーシャルワーカーは本人の意思を確認しながら援助を行います。障害のある方の場合、自分の意思を伝えることや、そもそも物事を決めること自体に困難を抱えている人もいます。
支援のやり方、あり方
たとえば知的障害のある方の場合は、読み、書き、話すことが困難なことが多いため、表情や身ぶり手ぶりから読み取って対話を重ねます。この部分は技術や経験によるところが大きいですが、もっと大切なのは、安心して自由に自分の言いたいことを言える信頼関係を築くことです。特に障害のある人を支援する場合、信頼がサポートの質に直結します。障害者が希望を言えるか、そもそも障害者が希望を持てているかといった、一見して見えないところまでサポートする姿勢が大切です。
そして、これは良好な関係性を築くという点で、障害の有無に関係なく、すべての人にとって豊かな社会生活を営むための重要なテーマといえるでしょう。
原点は人権の尊重
支援の原点は、「人権の尊重」です。支援する側の効率性だけを重視するなら、病院や施設に人を集めてサービス提供するほうが合理的かもしれません。しかし、どんなに障害が重くても地域の中で当たり前に暮らせるように支援することが、共生社会の基本理念です。現実には困難なことも多いですが、その人にとっての豊かな生活のために、さまざまな福祉サービスを利用しながらその実現に向けて支援していく必要があります。ソーシャルワーカーは、そのために人と福祉サービスをつないだり新しい資源を開発したり、さまざまな支援を行います。
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