心理学を活用し、企業内コミュニケーションの課題を解決
部下の叱り方、褒め方がわからない
企業において、上司は部下に「好ましい行動」を期待しています。企業の生産性向上に欠かせない要素だからです。しかしなかなか期待通りに動いてもらえず、そんな部下に対して「うまく叱れない」と悩んでいる上司は少なくありません。行動心理学の知見からすると、この場面では叱ることより、褒める、感謝する、といった前向きな関わり方が有益です。褒め方がわからないという人もいますが、重要なのはそのタイミングです。部下が好ましい行動を取った直後に、褒め言葉をかけ、感謝の気持ちを示すことが有効です。
動かないのはモチベーションが低いから?
そもそも、部下が好ましい行動を取らないのはなぜでしょうか。上司は好ましい行動が多い人を見て、「モチベーションが高い」と評価し、そうでなければ「モチベーションが低いからだ」と考えイライラしがちです。本来、モチベーションとは行動するための動機づけのことです。部下は好ましい行動をする理由がなければ行動しないだけのことなのです。言い換えれば、上司はモチベーションが低いと嘆くのではなく、好ましい行動を促す環境を整えることが先決です。すべての行動には必ず理由があり、理由があれば人は動きます。
人の行動はマネジメントできる
行動心理学を学び、人の動かし方を身につけた人はイライラすることが減ります。イライラの原因である「好ましい行動をしない」理屈を理解し、行動をマネジメントできるようになるからです。コミュニケーションをうまく図れない、部下の本音がわからないという悩みには、心理学のコーチングという手法も効果的です。お互いに好意的な状態を築き、思っていることを気兼ねなく話せるようになれば、上司の感謝や褒め言葉は部下にストレートに届き、モチベーションにつながります。こうした心理学的アプローチは企業において積極的に導入されており、学校や家庭においても良好な人間関係を築くスキルとして、その活用が期待されています。
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先生情報 / 大学情報
龍谷大学 心理学部 教授 水口 政人 先生
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