障がいの有無に関わらず楽しむスポーツ!
さまざまな種目があるパラスポーツ
最近はテレビでも放送されるようになった障がい者スポーツは、現在「パラスポーツ」と呼ばれています。車いすで行うテニスやバスケットボールなどはパラリンピックの種目(パラ種目)ともなっています。一方で、パラ種目ではないパラスポーツに関してはあまり知名度がなく、その競技についての研究も進んでいないのが現状です。
そのうちの一つが車いすハンドボールですが、実は、この種目にあえて注目した研究が続けられています。身体機能のデータを取ったり、選手のメンタルを考えたりしつつ、各地で行われる大会で結果を出そうとしています。
理解を深める体験会
研究だけでなく、体験会を開催して車いすハンドボールを知ってもらおうという努力も続けられています。この体験会は健常者も参加できて、実際にスポーツ用の車いすに乗って競技を行います。
ただ、車いすハンドボールの練習場として体育館を利用させてくれる自治体や団体は多くありません。これは実情を知らないゆえの「体育館の床に傷がつく」などの不正確な思い込みによるもので、結果的にスポーツ振興の阻害要因となっています。そこで、利用可能な体育館で開催される体験会に、使用不可とした自治体などの職員を招いて誤解を解く活動も行われているのです。
スポーツを通して障がいがあっても前向きに
パラスポーツは、リハビリなどを終えた障がい者にとって、大きな楽しみになると考えられています。マイナスな気持ちから解放されて障がいの有無を問わずに仲間ができるなど、さまざまなメリットを備えているのです。また、まだまだ人生の先が長い子どもの障がい者にとっても有益です。自分の力で生活して仲間と楽しむ大人の姿を見ることで、自分の将来に光が見えてきます。また、彼らと話すことで、体について、栄養について考える、あるいは外国での大会出場をめざして語学を学ぶなど、学習意欲も向上していることがすでに観察されています。このように、パラスポーツは障がい者の成長にも貢献しているのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
日本福祉大学 健康科学部 リハビリテーション学科 教授 大西 満 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
リハビリテーション科学、障害者スポーツ先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?