その保証人、必要ですか?
保証人の役割
保証人というのは、通常は、人が契約をする時にその人の代わりに、または、その人と同様に責任を負う人のことです。例えば、お金を借りて払えなくなった場合、借りた人の代わりに保証人が支払いを求められます。
高校に入学する際の提出書類に保証人欄があったかもしれません。保証人は、学費納入の遅延や生徒の保護者に連絡がつかない際に対応するよう求められる立場となることが多いです。お金を借りる時、住まいを借りる時、働き始める時などに、保証人が求められてきました。
個人保証から法人保証へ
お金を貸した人などがなぜ保証人を求めるのでしょうか。それは、相手が義務を果たしてくれるかわからないからです。お金を借りる人など(主たる債務者)の周囲の人が自ら保証する意思で保証人となる契約を結んで、その取引にかかわってきました。
かつて、人々は、しかるべき立場の人に保証人を頼んでいました、しかし、保証人になる契約が危険だと知られるようになり、相手(主たる債務者)の経済状況も知らず、相手に注意したりもできないのに保証人にはなれないと考えられるようになってきました。代わりに、信用保証協会や賃貸保証会社などの法人に保証料を払って保証をしてもらう方式(法人保証)が広がりました。
身元保証人に代わるもの
法人保証への切り替えが進みにくいものに身元保証があります。身元保証は元々は働き始める人物が雇い主に対して迷惑をかけないことを「保証」するものでした。それが、いつしか病院への入院や介護施設への入所の際にも求められるようになりました。身元保証人には、金銭支払いに加えて、医療行為に対する同意や亡くなった際の引き取り等の役割が期待されます。法人による身元保証人代行サービスの提供も一部には始まっていますが、親族の役割との区分が難しく、またサービス契約の内容が複雑で、高額にもなりがちです。
人口の約4割が単身世帯となっており、高齢化も進んでいます。身元保証人がいなくても生きていけるよう、新たなしくみを作る必要があります。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。