4次元の図形はどんな形? 見えない多次元空間を見る幾何学の世界
47都道府県のデータは47次元!
ドラえもんには「4次元ポケット」が登場しますが、私たちが住む世界は「縦・横・高さ」の3次元だと考えられています。アインシュタインの相対性理論によって、4次元は「3次元空間+時間」だといわれるようになりました。しかし、4つめの次元が時間だと決まっているわけではありません。
そもそも数学では「次元=データの数」ととらえます。x・y・zの3つの数(座標)で表せる空間は3次元、w・x・y・zの4つの数が示す空間は4次元、そして各都道府県のデータは47次元です。変数が連続的にうごく関数なら「無限次元」なのです。
多次元空間を数式やCGを駆使して考える
幾何学は図形について考える学問です。大学の幾何学では、平面(2次元)や立体(3次元)だけでなく、多次元の図形も取り上げます。ヒトの目に見える世界は3次元で、4次元以上の図形は見えません。見えないものを見るために、研究者は数式を使って考えます。わかりやすくするためにCGでイメージ画像を作り、アニメーションで動かしてみたりします。VRを使う研究者もいます。
研究の方法も多様で、複素数を使う「複素幾何学」、微分を使う「微分幾何学」など、さまざまな分野があります。
数学の研究は正解をさがす冒険の旅
高次元の空間に、より低い次元の図形をしきつめたときにできる模様を「葉層(ようそう)構造」といい、規則性がありつつも複雑な様相を示します。どんな条件のときに、模様がどんなパターンを示すのかわかっていないことも多く、葉層構造の研究が世界中の数学者によって行われています。
高校までの数学には正解が用意されていて、授業で学んだ知識や方法を使い問題をとく力が問われます。一方、大学で数学の世界に入ると、いわば冒険の旅が始まります。ロールプレイングゲームのように自分で装備を準備して、敵と戦いながら道を見つけて宝物をさがしにいくのです。数学には数十年、数百年におよぶ未解決問題がたくさんあり、数学者はその解明にとりくんでいます。
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