数字や言葉のジャングルから、統計を使って宝物を見つけよう!
人や社会の動きを科学する
Amazonなどのネット通販サイトで商品を購入すると、おすすめ商品が表示されます。それは過去の購入データから、自分の購入履歴と近い人がほかにどのような商品を購入しているかを分析して、表示したものです。どんな商品が売れるかは、価格や好みなどさまざまですが、それを分析するのが経済学であり、実証するのが統計学です。統計は実験が難しい医学・社会科学などの学問、さらに国の政策立案などにも利用されてきました。王政時代のフランスでは、統計データを用いて人口を推計して、きちんと税金を徴収したことにより、恨まれて処刑された人がいたほどです。
業績の悪い企業に共通する「言葉」に着目!
統計は、言葉の分析にも活用されています。例えば、どの企業に投資をすればいいかを考えるとしましょう。どういう企業が儲かるかを考えるのが経済学の役割です。経済学の知識を生かして、儲かっている企業を探すのがデータ分析の使い方になります。企業を分析する場合、一年間の業績を集計した「有価証券報告書」などを分析しますが、数字以外に使われている言葉でも統計分析ができます。
業績が悪化している企業は、「今」の内容を詳しく書いても暗いことしか書けません。となると、「将来」「未来」に関することを説明したくなります。実際に調べてみて「将来」「未来」という類の言葉が多い企業の業績が悪かったことがわかったら、その言葉を多用するほかの会社も「業績が悪化している可能性が高い」と分析できるわけです。言葉は生き物のようなもので、使い方は時代とともに移り変わりますが、統計分析に役立つ指標にもなるのです。
漠然としたイメージを証明できる統計学
今日、ITの発達で、活用できるデータの種類はますます増えています。統計を使って、膨大なデータを分析することで、例えば「価格が安ければ売れる」「大学に行けば生涯賃金が高くなる」などの漠然としたイメージでしかないものが、本当にそうなのかを多分野にわたって証明していくことができるのです。
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先生情報 / 大学情報
中京大学 経済学部 経済学科 教授 増田 淳矢 先生
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