3次元形状を作る折り紙設計法「オリガマイザ」とは
「コンピュテーショナルオリガミ」って?
折り紙がアートとして非常に複雑に発展するようになったのは1980年代、折り紙に「設計」という考え方が出てきてからのことです。「折っていたらできた」ではなく、「どのようなパターンで折れば望む形が作れるか」と考えるのが設計です。これを逆問題と言い、工学の基本でもあります。
この問題を解くには、折り紙の幾何学を理解し、その問題を解くためのアルゴリズムを理解し、応用する必要があります。
現在ではこの計算はコンピュータで行うことが多く、こうした折り紙の幾何学やアルゴリズムを「コンピュテーショナルオリガミ」と言います。設計するには「円領域法」「角度グリッド」など、いろいろな方法があります。
3次元を作る設計法「オリガマイザ」
折り紙設計法の1つで、3次元形状を折り紙化する手法が「オリガマイザ」です。
これは任意の多面体を折り紙化することで、一枚の紙から切り込み無しで折れるようにする方法です。多面体という言葉からは「正○面体」という均等に膨らんだものを想像しがちですが、へこみがあっても多面体です。そう考えると、ありとあらゆるものを細かい三角形のパーツに分ければ、すべての立体が多面体として表現できます。つまり、あらゆる形が一枚の紙の折りで近似できます。
曲面の作り方
三次元折り紙の実現に重要なのが「ヒダ構造」です。3次元の曲面の一部分は、円柱の一部を切り取ったような形、丘のように膨らんだ形、そして馬の鞍のような形に分類できます。これを数学的には「ガウス曲率」という値で記述します。ガウス曲率が0なら円柱の一部の形、正なら丘のような形、負なら馬の鞍のような形を表します。ヒダを紙に加えることで、ガウス曲率が変化しますが、ガウス曲率を思った数値にするにはヒダの寸法(角度と幅)をどのようにすれば良いか、という逆問題を、大きな連立方程式を解くことで求めます。ヒダ部分の折り線には、ボロノイ図という外心と垂直二等分線を一般化した図形を用いています。
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