「具体的」にイメージできれば、数学もコンピュータもこわくない!
なぜ高校の数学が難しいのか
「高校の数学は難しい」とか「やる意味があるのかな」と思ったことはありませんか? 確かに数学の教科書には「世の中のここに役立っている」という話は出てきません。つまり、xもyもベクトルもすべて「概念の世界」であり、イメージすることができないから難しいのです。
そこで、小学生でもわかる「つるかめ算」の問題を考えて、それを中学の連立方程式のやり方でグラフを描いてみることにします。平面に点を打っていくと、点が集まって直線になり、xとyの交点の関係も目で見えてきます。具体的にすることで、「そういうことか!」と理解につながるのです。
コンピュータは「優秀な道具」
例えば、世界初のカメラのオートフォーカスには微分が使われていたとか、高速道路の設計やロケットを飛ばすのも微分積分が基礎になっているなど、数学が具体的に世の中で役に立っているとわかると、ぐんと身近で面白いものに見えてきます。そしてコンピュータの力を借りないと世の中が回らなくなった今、数学の分野でもコンピュータを「優秀な道具」と認めるまでになりました。スーパーコンピュータで、物理学、工学、医学などさまざまな知識と合わせて高度な計算を使うと、人間の心臓を17万個の小さな四面体に分解して、細胞レベルでの仮想的な再現もできます。また、温暖化や天気予報なども数値シミュレーションが活用されるようになりました。
使えるものは使っていいけれど
今は、シミュレーションモデルもAIもすぐに使えるような時代です。AIはこの先も、仕事の生産性やクオリティを上げて、社会課題へのアプローチも広げるでしょう。ただ、そこで大切なのはAIを正しく使うことです。悪いことを学習させて悪意に満ちたAIを作らないことや、AIが出してきた回答に対して、「人を傷つけていないか」などリスクも常に考えることが必要です。どんなにAIの力を借りても、最終的にそれを世に出すのは「人間」であるということを忘れてはいけないのです。
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