餃子もキャラクターも観光資源に! 意外なもので人を呼び込む
餃子がまちに人を呼ぶ
栃木県宇都宮市は「餃子のまち」として有名です。市内の餃子専門店には県内外から多くの観光客が訪れ、行列ができるほどのにぎわいを見せています。さらに年1回開催される「宇都宮餃子祭り」は、例年10万人を超える来場者を集めて地域のにぎわいづくりに貢献しています。餃子は宇都宮でしか食べることができないメニューではなく、変わった具材が入っているわけでもありません。それでも、餃子の購入金額が大きい(餃子をよく食べる)という地域の特性に着目して、餃子によるまちおこしに取り組み、餃子の力で多くの人を呼び込むことに成功しました。身近な地域資源の価値に気づき、それに磨きをかけたことが成功要因だといえます。
キャラクターで交流を生む
宮城県白石市では、「東北ずん子」というキャラクターを活用したイベントによって人を呼び込んでいます。東北ずん子は、東北地方の企業であれば無料で商用利用できるキャラクターです。白石市では、市内の有志が主体となって、「東北ずん子スタンプラリー」を定期的に開催しています。スタンプを設置した店舗では、スタンプラリー参加者との交流が生まれ、継続的な訪問や商品開発につながっています。アニメや映画にゆかりの場所が「聖地」として観光地化することがありますが、あくまでも地域側は作品が制作されるのを待つ立場です。しかし、白石市では、地域住民が主体的にキャラクターを活用してファンを呼び込み、息の長い交流につなげています。
地域の魅力に気づく力
世界遺産に代表される著名な観光資源がない地域であっても、観光客を呼び込むことは不可能ではありません。身近な食べ物やキャラクターを活用した宇都宮市や白石市は参考になる事例です。また近年では、日本人が素通りしていた場所が、外国人観光客の視点によって人気になるケースも増えています。これからの地域においては、見過ごされていた地元の文化を再認識したり、新たな文化を創造したりしながら、ビジネスを生み出すことが重要になっています。
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