「驚き」と「発見」がいっぱいの理科の授業をめざそう!
子どもたちに、理科の楽しさを伝えるには
現在、子どもたちの理科に対する興味や関心が薄くなり、理科離れが進んでいると言われています。その一因として、小学校教員の多くが文系の教育学部出身者で占められているため、理科を教えることについて苦手意識をもっていたり、実験道具の扱いに抵抗を感じていたりすることが挙げられます。子どもたちに理科の楽しさを伝えるには、まず何より教師自身が実感をともなって「楽しい」と感じることが大切です。
理科の学びには、毎日の生活に結び付く驚きや発見が多く含まれています。授業の中での学びが、生活の中での体験に結び付いたとき、子どもたちからは、「あ~」とか「お~」という感動の声が上がります。理科の授業では、このような学校での学びと日常の学びを繋げていくことが大切なのです。
身近な素材を使って液体の性質を調べてみよう
例えば、小学6年生では、水溶液が酸性・中性・アルカリ性に分類されることを学び、実際にリトマス試験紙やBTB溶液で水溶液の性質を調べる実験をします。この実験で用いる指示薬の代わりに紫キャベツを使ってみましょう。
紫キャベツにはアントシアニンという色素が含まれているので、お湯で煮出すと美しい紫色の液体ができます。これを用いて水溶液の性質を調べると鮮やかな美しい色の変化が起こり、ずっと印象的なものになるはずです。ほかにブドウジュースやナス、紅茶を使っても同様な実験ができます。
アメリカの理科の教科書って、どう作られている?
理科の教え方を考える際、外国と日本の教科書を比較してみることも、大変に参考になります。アメリカには日本のような教科書検定制度がなく、各出版社や州の裁量で自由に作られています。例えば、「熱はどう伝わるか」の学習では、ポップコーンやバーベキューなど、子どもたちになじみのある生活に身近な料理の写真やイラストをふんだんに使って解説しています。日常生活と結び付けて学ぶことにより、「なるほど、そういうことか」とより納得し理解できるのです。
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宮城学院女子大学 教育学部 教育学科 児童教育専攻 教授 板橋 夏樹 先生
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