成長につながるイベント、「ゲームジャム」を知っているか?

成長につながるイベント、「ゲームジャム」を知っているか?

学びにもつながるゲームジャム

ゲーム制作に興味を持つ人は多く、それを教える場も整っている現在ですが、そこでの学びをより効果的なものにする手段の一つに「ゲームジャム」があります。これは音楽におけるジャムセッション(即興演奏)に似て、与えられたテーマに沿って短期間で、初めて顔を合わせるメンバーがチームを組み、ゲーム制作を行う一種のイベントです。そこで、このゲームジャムが教育的効果を高めることを検証する研究が進められています。

ゲームジャム参加の意味

ゲームジャムでは知識や技術以外にも、コミュニケーション、チームづくり、タイムスケジュールなどの力が磨かれます。そこに参加することで自分に足りない部分に気づいたり、チームメンバーの独自の発想力に驚いたりすることもあるでしょう。それが日々の授業を受ける姿勢にも反映されて、ジャムに参加した学生は大きく成長するとの仮説が立てられています。
それを確かなものとするため、前述の研究ではアンケート調査を実施しています。自己評価ではありますが、ジャム参加前後にアンケートをとり、課題発見能力や働きかけの力などの変化を申告してもらうのです。現時点では集計が行われるにとどまり、分析などはこれから行われる予定ですが、そこからある種の指針が見えてくるものと期待されています。

ものづくりの活性化に

ゲームジャムは大学内で行われるもの、全国的、あるいは世界的に行われるものなどがあり、いずれに参加してもゲーム制作を志望する人にとって得難い経験になると言えるでしょう。学外のイベントであれば、有名無名を問わずゲーム制作のプロフェッショナルや、ゲーム会社に所属する人と交流することもあり得ます。そこからインターンシップへの参加につながるなどの事例もあり、「制作」だけに限らず、ゲーム「業界」に関わりたいと望む人には非常に有益です。このような機会は、ゲーム制作だけでなく、今後のものづくり教育全体に影響するとも考えられています。

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先生情報 / 大学情報

大阪電気通信大学 総合情報学部 デジタルゲーム学科 准教授 森 善龍 先生

大阪電気通信大学 総合情報学部 デジタルゲーム学科 准教授 森 善龍 先生

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情報学、ゲームデザイン

メッセージ

将来ゲーム業界で活躍することを希望するなら、本を読む、映画を見る、自然の中を駆け回るなど、一見ゲームとは関連がないと思える経験を数多く積んでください。その過程でさまざまな感覚や情報に触れて、それが蓄積されることが、最終的にはゲーム制作でのよりよいアウトプットにつながるでしょう。もう一つ大切なのは、受け身にならないことです。次々登場する新しい技術を吸収して、そのステージで自分に何ができるのかを考えていければ、たとえ他業界に進んだとしても自身の力として役立つはずです。

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本学は工学を中心に建築、情報、医療技術、リハビリ、スポーツ、ゲーム、デザインなどの学科/専攻を設置している「技術系総合大学」です。在籍学生数は大学院を含めて約5,887人(2023年5月1日現在)。高度なモノづくりができる「実践型教育」理念のもと、社会で実際に役立つ技術と知識修得をめざします。「3D造形先端加工センター」などの最先端設備や「資格学習支援センター」によるサポート体制が就職率の良さに繋がっています。また、2つのキャンパスは京都や兵庫近辺からのアクセスの良さも魅力の一つです。