建築空間デザインの力で地域に新しい「豊かさ」をつくる
人と地域を大切にした公共施設のデザイン
大きな建物から広場や公園、公衆トイレなど、自治体主導で公共施設をつくることは多くあります。最低限必要な機能に絞ってつくるのも一つの方法ですが、その施設が建つことで周辺環境にどんな影響を与えるか、与えていきたいのかまで考えて設計・デザインしていくという方法もあります。また、設計前に地域の人との間に説明会の機会を設けて、施設が建つことに対する賛成意見や反対意見に耳を傾けて、「みんなで一緒につくり上げる」のも大切なことでしょう。この話し合いから、どのようにデザインすればみんなに施設を使ってもらえるかのヒントを得られるからです。
サステナブルな環境に貢献する木造のビル
現在、日本では建築などに木を多く使っていこうという動きがありますが、その材料を遠方から運んでくることも少なくありません。しかし、建築する敷地に近い場所から木を集めれば、運送コストも、輸送によって排出されるCO₂も削減できて、そのうえ地域でお金が循環します。
木の建築というと住宅や寺社を思い起こす人が多いかもしれませんが、技術が進んだ今では、木造のビルを建築するのも可能なのです。こういった流れは世界的なもので、今後は街並みにアクセントを添える、魅力的な木の建物が増えていくかもしれません。
地域の暮らしに「希望」を見せる建築空間デザイン
建築というと、ある建物一つを注目して見てしまうことが多いのですが、その建物は地域の環境の中に存在します。そして建築には、地域の環境を変える力があります。それは街ににぎわいをもたらすという意味だけでなく、これまでとは異なる豊かさを与えて、その後も継続的に希望を持つことができる生活空間を生み出すことも意味しています。それを多くの場所で実現して、地域だけでなく社会を豊かにしてくれる空間づくりの研究は、今後も多方面から追究されていくはずです。
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