自分のためだけでなく、誰かのために
その向上心は、何のため?
あなたには「向上心」がありますか。もっとよくしよう、もっと高いものをめざそうと努力することを一般的に「向上心」と呼びます。大会で優勝をめざして部活動に励んだり、テストの点を上げるために勉強したりすることは、とても素晴らしいことです。向上心のある人ほど、ある技術を磨いたり、知識を習得したりすることに一生懸命に取り組むのではないでしょうか。
しかし、それは何のためでしょう。もしかすると「自分のため」と答える人が多いかもしれません。確かに、技術や知識を得れば有名大学や一流企業に入ることができ、あなたの生活は保障されるかもしれません。しかし本当に「自分のため」という視点だけで、報酬や成長がたくさん得られるのでしょうか。
大切なのは、感謝されること
今売れているモノは、人の役にたつから人気があるのです。活躍している人たちは、きっと経済的効果だけを追求しているのではなく、誰もが幸せになることを考えて仕事をしているはずです。つまり、「誰かのため」という視点がなければ、モノやサービスは売れないのです。自分に知識や技術があるから報酬が与えられるのではなく、その知識や技術を使い感謝されて初めて報酬が与えられるということでしょう。
偽造や不正が次々と露呈している昨今、今まで以上に社会的に信用のあるモノやサービスしか受け入れられない時代となりました。企業人だけでなく、研究者も同様です。MOT(マネージメント・オブ・テクノロジー)という概念が注目されているように、どんなに最先端で新たな発見や研究でも、世間で認めてもらわないと意味がないのです。今後は「他者の幸せ」を考えられるかどうかというスキルがいっそう求められることでしょう。
大学に行くのは何のため? その学問を選ぶのは何のため? あなたの向上心が世の中の人々から感謝されるような形で生かされますように。
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