自分のためだけでなく、誰かのために

自分のためだけでなく、誰かのために

その向上心は、何のため?

あなたには「向上心」がありますか。もっとよくしよう、もっと高いものをめざそうと努力することを一般的に「向上心」と呼びます。大会で優勝をめざして部活動に励んだり、テストの点を上げるために勉強したりすることは、とても素晴らしいことです。向上心のある人ほど、ある技術を磨いたり、知識を習得したりすることに一生懸命に取り組むのではないでしょうか。
しかし、それは何のためでしょう。もしかすると「自分のため」と答える人が多いかもしれません。確かに、技術や知識を得れば有名大学や一流企業に入ることができ、あなたの生活は保障されるかもしれません。しかし本当に「自分のため」という視点だけで、報酬や成長がたくさん得られるのでしょうか。

大切なのは、感謝されること

今売れているモノは、人の役にたつから人気があるのです。活躍している人たちは、きっと経済的効果だけを追求しているのではなく、誰もが幸せになることを考えて仕事をしているはずです。つまり、「誰かのため」という視点がなければ、モノやサービスは売れないのです。自分に知識や技術があるから報酬が与えられるのではなく、その知識や技術を使い感謝されて初めて報酬が与えられるということでしょう。
偽造や不正が次々と露呈している昨今、今まで以上に社会的に信用のあるモノやサービスしか受け入れられない時代となりました。企業人だけでなく、研究者も同様です。MOT(マネージメント・オブ・テクノロジー)という概念が注目されているように、どんなに最先端で新たな発見や研究でも、世間で認めてもらわないと意味がないのです。今後は「他者の幸せ」を考えられるかどうかというスキルがいっそう求められることでしょう。
大学に行くのは何のため? その学問を選ぶのは何のため? あなたの向上心が世の中の人々から感謝されるような形で生かされますように。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

静岡大学 情報学部 行動情報学科 教授 大島 純 先生

静岡大学 情報学部 行動情報学科 教授 大島 純 先生

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先生が目指すSDGs

メッセージ

「将来を考えているのか?」って大人はよく子どもを心配します。でも、私があなたの歳の頃に将来なんて見えなかったし、考える気もなかったです。自分がどういう人間なのか、そして社会の中でどう「大人」になっていくのか、考える楽しさを教えてくれたのは大学生活でした。社会を自分の目でしっかりとらえてみる。そのために、情報学というのは面白い視点の一つだと思います。

静岡大学に関心を持ったあなたは

静岡大学は、7学部を擁する総合大学のメリットを生かし、学生の知的探究心に応えることができる幅広い学問領域の教育を実施しています。大学の理念は「自由啓発・未来創成」であり、これは自由によってこそ自己啓発を可能にし、それを通じて、平和かつ幸福な未来を創り出すとの力強い思いを表明しています。
失敗を恐れず若々しいチャレンジ精神をもち、人の意見によく耳を傾け、それに学び、協調性豊かに自己主張ができる人の入学を期待します。