自分らしく生きて、元気になろう

自分らしく生きて、元気になろう

臨床心理士ってどんな仕事をするの?

臨床心理士の「臨床」はベッドサイドという意味です。病める人のそばで、その人の人生の質がよくなるお手伝いをするのが臨床心理士の仕事です。お手伝い=援助にはいろいろな方法があり、カウンセリング手法もさまざまです。ここではその一例を紹介しましょう。

その人がその人らしく生きられるために

人は誰でも条件が整えば能力を発揮でき、成長する力があります。カウンセリングを行っていると、自分はこっちの方向に進みたいと思っている「芽」のようなものが見えます。しかし一方で、そうしてはならないのではないかという不安も見えます。その葛藤の中で、障害や問題行動が起きてきます。
ここに不登校気味の子どもがいるとします。学校では友だちと笑ったりしていますが元気がなく、家に帰るとぐったりしています。自分が使いたい方向のエネルギーをぐっと抑えて、友だちに気を遣ったりなど、使いたくないけど使わなくてはならない(と思っている)方向にエネルギーを使っているので、二重に無理をしているのです。これでは消耗してしまいます。そこで、「いつから元気がなくなったの? 友だちと遊んでいるとき? 何をしているときに身体がスムーズに動く?」といろいろな質問をしながら、本人がいちばん自然に動けるときと、自然に動けないときの原因の両方を探っていきます。そして、ここではあなたの好きにしていいんだよと言い、自然にいられるのは楽だと感じる体験をしてもらいます。そうすると日常の中でも自分らしく過ごす時間が増え、今まで嫌だと言えなかったことが言えるようになります。親から見て良い子ではなくなったけれど元気が出てきて、気がついたら学校に行っていたということがよくあります。本人が自分らしく生きていければ、エネルギーが回復するのです。このような援助をすること、その人がその人らしく生きるお手伝いをすることが、私が考えるカウンセリングです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

追手門学院大学 心理学部 心理学科 教授 永野 浩二 先生

追手門学院大学 心理学部 心理学科 教授 永野 浩二 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

メッセージ

人の心は不思議で面白いものです。その不思議で魅力的な人の心について学ぶために、追手門の心理学部では、個性的な多くの教員と、幅広い心理学の領域をカバーする50を超える講義科目を用意しています。「広く、本格的に学ぶ」というのは、40年以上の伝統を持つ追手門の心理学科ならではの特徴です。また、心理学を自分自身や社会に生かすためのユニークな演習も、数多く用意されています。

追手門学院大学に関心を持ったあなたは

追手門学院大学では「学生一人ひとりの個性・自主性を育てること」を重視しており、基本的な能力やスキルの向上のため少人数で学べる講義やゼミナール、個々の興味に合わせて学べる幅広い科目群など、充実した学びのシステムを用意してあなたの夢の実現を力いっぱい後押しします。