自分らしさを表現するためのプレゼンテーションスキル

自分らしさを表現するためのプレゼンテーションスキル

プレゼンテーションとは

どのようにすれば自分が伝えたいことが相手にうまく伝わるのでしょうか。ありのままに表現するというのは、聞こえはいいですが、現実的にはそれだけで受け入れられるのは難しいかもしれません。情報伝達を意味するプレゼンテーションという言葉は、相手に情報の贈り物(プレゼント)をするという発想から生まれました。つまり、自分の意図を伝えるだけでなく、相手が求める内容を察して話すことが重要なのです。

想像力の必要性

プレゼンテーションは一方向の情報伝達ではなく、相手に伝わっているかを意識する双方向のコミュニケーションが求められます。コミュニケーションにおいて最も重要な要素は想像力です。相手の感情や状況を想像しながら話さなければ、コミュニケーションは成立しません。
例えば、バングラデシュ出身の看護師たちが参加したある研修では、画用紙に絵を描いて発表する課題がありました。看護師たちが子どものような稚拙な絵を描いたため、主催者は研修に対して何か不満があるのだろうと解釈しました。しかし、実際はそうではなく、バングラデシュでは義務教育で美術や図工の授業が行われておらず、その看護師たちもそれまでに絵を描く機会がほとんどないという事情があったのです。どんな人にもそれぞれの背景や事情があり、安易に判断するべきではありません。つまり、相手のことを正しく想像するためには、幅広い教養や多様な経験が必要になるのです。

プレゼンテーション学への発展

プレゼンテーションに関する学問は、現在はまだ確立されていませんが、説得力や情報伝達のスキルは学術的に深められていく必要があります。ビジネスだけでなく、芸術の分野においても、作品の意味を語る能力は重要であり、そこにもプレゼンテーションスキルが役に立ちます。プレゼンテーションの技術を習得し、相手に響くメッセージを効果的に伝えることで、自分自身をより深く表現し、新たな可能性を開拓していけるのです。

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東京工芸大学 芸術学部 基礎教育 教授 大島 武 先生

東京工芸大学 芸術学部 基礎教育 教授 大島 武 先生

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パフォーマンス学、コミュニケーション論

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メッセージ

人生は選択の連続です。Aという大学に入るということは、言い換えればBという大学に入る可能性を捨てることでもあります。そのため、迷うこともあるかもしれませんが、よく考えて自分で決めていってください。また、これまでコロナ禍でやりたくてもできなかったことが多くあるのではないでしょうか。古今東西どんな人でも、大人になって振り返ると「あの時ああすればよかった」と思う瞬間があります。ですから、今を楽しむことこそが大切です。自分にできることを全力で楽しんで過ごしてください。

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芸術学部はメディア芸術の教育・研究拠点として、「ART AND TECHNOLOGY」に力を込めて、次々に誕生するメディアの表現を追及しています。世界を取り巻く環境と私たちの生活が変化するなか、メディア芸術の力で世の中を便利で快適にしたい、そのような思いを「芸術」として表現する人材を育成しています。
100年前の「写真」表現に端を発し、現在に至るまで多くの卒業生がメディア芸術の分野でクリエイターやデザイナーとして活躍してきました。これからの時代は更にクリエイティブな人材が必要とされるでしょう。