本当の気持ちは? 自分らしさとは? 自分の夢に聴いてみよう
夢には自分の心理が現れる
空を飛ぶ夢、何かに追いかけられる夢など、気になる夢を見て、なぜそんな夢を見たのか考えたことがあるのではないでしょうか。夢を自分の心理を知るきっかけにする心理学の「夢分析」は、カウンセリングの手法としても使われています。
「Aの夢=B」とする夢占いと違って、夢分析では自分にとっての夢の意味を考えていきます。夢占いでは「ヘビの夢=金運アップ」などとされますが、夢は自分自身が作り出したものです。もし大切なペットのヘビが死んで悲しんでいる人がヘビの夢を見たとしたら、そこには自分の心理が現れているのです。
無意識の自分からのメッセージ
私たちのこころには、自覚できる意識と自覚できない無意識があります。心理学では、夢はこころのバランスをとるために、無意識の自分が本当の気持ちや不安を自分自身に伝えようとするメッセージととらえます。
そのメッセージはハッキリしたものではなく、夢のストーリーの中に隠れていることが多いため、カウンセリングでは、カウンセリングを受ける人とカウンセラーが一緒に考えていきます。夢を見た本人がメッセージを受け止めようとすることが重要であり、カウンセラーはサポート役を務めるのが基本です。
自由な連想や記憶から本当の気持ちを探る
自分の夢についてじっくり考えるプロセスこそが夢分析なので、自分の夢分析は誰でもやってみることができます。一つの答えを求めるのではなく、登場人物、場所、自分の気持ちなどを書き出し自由に連想したり、ヘビが出てきたら「ヘビにまつわる思い出は?」というように記憶をたどったりする中で、閉じ込めている気持ちや不安、向き合うべきテーマなどの糸口を見つけていきます。
自分が本当にやりたいことや自分らしい生き方のヒントにもなるので、進路の決定や就活の自己分析にも役立つかもしれません。夢を自分自身の「こころの声」として、普段は外へ向けている意識を自分の内側に向け、自分のこころに耳を傾けることが夢分析なのです。
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先生情報 / 大学情報
帝塚山大学 心理学部 心理学科 准教授 森田 健一 先生
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