私たちの生活とお金の関わり
家計と企業と政府の関係
私たちの社会には、大きく分けて家計と、企業と、政府の三つの主体が存在しており、お金はこの三つの間をぐるぐる循環しています。例えば、家計は、企業に労働力を提供して企業から賃金(お金)を受け取っていますし、その受け取った賃金(お金)を使って企業から財やサービスを購入しています。家計はまた、税金(お金)を政府に納め、その一方で、政府から公共サービスの提供や社会保障費(お金)の給付を受けています。企業もまた税金(お金)を政府に納める一方で、補助金(お金)や公共サービスの提供を受けています。企業が政府に財やサービスを提供して、代金(お金)を受け取ることもあります。
お金は循環している
このように、何も問題がなければ、この三者間でお金がいつまでも循環しつづけるのですが、実際にはいろいろな問題が発生します。例えば、お金がある部分に貯まり、ある部分で足りなくなってしまい、循環が滞るという問題が挙げられます。日本では、家計が預貯金を蓄えている一方、企業側には良いアイデアがあってもお金が足りなくてそれを実現できない会社が多数あります。また政府もお金が足りずに、大量に国債を発行して何とかお金を調達しようとしています。つまり、家計にお金が貯まり、企業と政府にはお金が足りないという状況が起こっているのです。このようにお金の流れが滞り、社会の中でお金が循環しなくなると、経済活動も滞ることになってしまいます。
循環をスムーズにするのが金融
お金が循環しない時に、重要な役割を果たすのが金融(ファイナンス)です。金融の役割とは、お金が余っている所から、お金の足りないところにお金を融通(お金の貸し借りのこと)してあげるということです。この役割を果たしている金融市場や金融機関がなくなってしまうと、お金の流れが激しく滞ってしまい、社会全体が動かなくなってしまうのです。
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先生情報 / 大学情報
県立広島大学 地域創生学部 地域創生学科 地域産業コース 教授 村上 恵子 先生
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