スポーツを媒介にして広がるビジネスや地域創生
スポーツを軸にした仕事は幅広い
スポーツに関連した仕事といえば、どのようなものを思い浮かべますか? スポーツ選手はもちろん、グローブやラケットなどスポーツ用具を作っているメーカー、スポーツジムや球場などの施設運営などを思い出すかもしれません。しかし、そのほかにもスポーツを軸にした仕事は多岐にわたります。
例えば、ある地方都市が町おこしのために、美しい景観を生かしたマラソン大会を企画したとします。すると行政はもちろん、宿泊施設や飲食店、イベント企画・運営会社、旅行会社など、あらゆる企業にチャンスが広がっていくのです。
営利性と公共性が混在するスポーツ産業
スポーツに関わるさまざまなビジネスについて、経営戦略や消費市場、消費傾向、マーケティング、組織経営などを幅広く研究するのが「スポーツビジネス経営論」です。経営論といっても、お金をもうけるための「営利経営学」だけでなく、地方創生を目的としたような「公共経営学」も含まれます。ただ、その境目は曖昧で、行政と民間がタッグを組んで事業を行う「パブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)」や、公共施設の建設や運営に民間企業が資金などを提供して公共サービスを行う「プライベート・ファイナンス・イニシアチブ(PFI)」という活動も行われています。
モノよりコトの時代
現代は、商品(モノ)そのものより、商品やサービスから得られる体験(コト)が求められる「モノよりコトを消費する時代」と言われています。それゆえ、スポーツ産業への期待は、ますます高まる可能性があるでしょう。そんなスポーツ産業で活躍できる人材になるには、「ヒト・モノ・カネ・情報」をうまく管理・運営していけるスポーツマネジメントの能力とともに、公共マインドについての理解も重要です。この営利性・公共性の両面のマネジメントについて学べるスポーツビジネス経営論は、スポーツに関わる仕事の人材を養成する、生きた学問なのです。
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先生情報 / 大学情報
大阪商業大学 公共学部 公共学科 教授 宇部 一 先生
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