もうけ方を学ぶわけではない商学部
まず経済学部との違いから
商学部、経済学部、経営学部、似たようなイメージをもたれることが多い学部ですが、どこが違うのでしょうか。
大学によって特徴の差がありますので、一概には言えませんが、一般論として、経済学部は、応用も学びますが、高度に抽象的な基礎理論を非常に重要視します。これに対して、商学部と経営学部は理論も学びますが、その理論をどのように実際に使うかに主眼を置いています。理系でいえば、経済学部は理学部に、商・経営学部は工学部にイメージが近いでしょう。また、経済学部は経済学を中心に学びますが、商学部や経営学部は、経済学・会計学・社会学・社会心理学など、幅広い理論を学び、その応用を考えるところです。商業制度の運営や経営に役立つことであれば、多様な知識を動員するのが商学部や経営学部の特徴です。
また、視点も違います。経済学部は国をどうやって運営するかという視点でものを考えることが多く、商学部と経営学部は個々の企業の運営をどうすればよいのかという視点で考えることが多いです。
現在はほぼ同じ商学部と経営学部
それでは、商学部と経営学部はそれぞれどのような学部なのでしょうか。
簡単なことですが、一般には歴史が違います。商学部と経営学部では、商学部のほうが古い歴史を持っていることが多いです。もともとは、日本が一つの国として経済的に発展していく時に必要な制度を扱う科目が多かったのが商学部です。その制度とは、例えば保険、証券、金融、会計などです。これに較べると、経営学部は、もう少し後になって設立されたものが多いと考えられます。それ以外にも若干の視点の相違はありますが、現在、実態としては商学部と経営学部はほぼ同じと言っていいでしょう。商学部と経営学部という名前を見たら、一般論としてどうちがうかということをなかなか明確に言えませんので、その大学のカリキュラムの中身を見て、何を重視しているかを個別にチェックすることをおすすめします。
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